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イントロダクション
2011年初頭、順風満帆に、かつ地味穏便に出発を切ったはずだったセカンドブログ、『2011年嫁に夢中の旅』、私にとって遅れて始まった育児日記であり、妻との迂遠なコミュニケーション手段にもなるはずだった本ブログは、去る3月11日以降、一転してこの未曾有の大災害に見舞われた私という人間の有り様を記録し続ける、原子力災害被災者日誌と成り果てた。

年間20ミリという避難指示相当の線量の地点を抱えるがゆえに、特定避難勧奨地点によって引き裂かれつつあるように思われるこの伊達市霊山町小国地区において、妻子を逃した自分がなおも留まり続けるのは、不運にも飛び地のようにして高汚染に見舞われているこの地域とそこに住まう人々に対して、「何か出来ることがまだあるかもしれぬ」と悪あがきしたいがゆえ。でもそのじつ、ただのフツーの人間らしく社会的しがらみを決然と断ち切ることができないでいるだけなのだが。

人類がいまだ体験したことのない大災厄を前にして、残りの人生において後悔することなきよう振る舞いたいという自分のややヒロイック(かつ家族に負担と犠牲を強いるという意味でエゴイスチック)な願望と、一刻も早く家族三人しっぽりひっそりと暮らしたいという切なる願いを胸に、先の見通せない2011年、私の旅は続いてゆく。

これで終わり?それとも「終わりの始まり」・・? [地震と原発]

米の出荷制限等について   
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/suiden_shukkaseigen1129.pdf

そうか、安全宣言以降の高汚染米問題の発端となった福島市大波地区は、我が伊達市霊山町小国地区と同じ「旧小国村」なのか、そうか・・そりゃウチでも(高汚染米が出て)当然・・とは思っていなかったのが正直なところです。伊達市では市民による食品汚染測定も活発に行なわれていたし、それでこれまで引っ掛かるものが無かった(あったけど大っぴらにならなかった、ではないことを願います)のだから、もしかしたら上手いこと難を逃れたのかも、と淡い期待もなくはなかったのです。でもやっぱり出てしまいました。一部もち米が市場流通してしまったということですが、あの農協の脇の直売所「かぼちゃ」であれば地元民が買ったか地元民が買って身内に送ったか、その辺りだと思いますので、回収されてこと無きを得るのではないかと思います。というわけで「市場流通」の四文字だけ見てまずはあんまりヒステリックな拒否反応を示さぬように、危険厨のみなさん。

前エントリーのコメント欄にも書きましたが、非営農家ながら一応地元民である自分からのモノの見え方として言えば、地元の誰もが早晩こんなことにはなるだろう、と思いつつも、「まずは作らねば賠償さえもされない」ということからおそるおそる米作りに着手していったのだろうと思います。土壌検査が積極的に行なわれて、5,000Bq/kgという作付け制限基準に引っ掛けられて、途中で仕舞いになるのだろうと思っていたら、それは遅々として進まず、ようやく出て来たら出て来たで作付け制限の設けられていない畑において問題のある数値が出るのみであり、「ホントに大丈夫なのかよ」という住民の不安をよそに公的には「そのまま米を作ってよろしい」というまま時が流れていきました。

特定避難勧奨地点指定というイベントも「計画的避難区域のような作付け制限が敷かれるのかも」と、懸念を抱えながら進みつつあるそのことを止めてくれる期待を抱かせるような待望のタイミングではありました。でも特定避難勧奨地点は住居を対象に指定するものであり、「年柄年中そこに居ない方が良い"かも"」というように軽く注意を促すような性質のものであります。ゆえに産業活動はなんら制限されていなく、そもそも田畑は特定避難勧奨地点というホットスポットとして指定されることからすら外れているわけですから、不指定の人はそのまま米作りを続行しましたし、指定を受けて例え避難したとしても、昼日中戻ってきて田んぼをいじることが出来たわけです。

二本松市小浜地区の一件はあったものの、全県的に順調に予備検査・本検査をクリアしていき、「あれ?もしかしたら案外大丈夫なのかも?」などとガードを下げようとしたところに、大波地区から始まって今に至る事態です。住民のかたがたの「せっかくここまで作ってきたのに」という落胆はそりゃ大きいのでしょうが、「ほれみろやっぱり」という思いも少なからずあるのではないかと思います。小国地区ほか出荷制限のくだされた地区については今後、速やかかつ適正に補償がなされることを望むところですが、他の地域での検査のゆくえもとにかく気になります。いったい、どこまでちゃんとやるのだろうか?と。何となく、ホットスポットとして話題になった地区だけでこの問題が収束すれば、おさまりがいいよね、的な雰囲気をそこはかとなく感じもするのですがどうでしょうか。

自主的避難者等への賠償の進展に思うこと [地震と原発]

自主避難賠償 子どもなど増額
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111125/t10014210051000.html

原発事故:自宅滞在も賠償…自主避難と同額 紛争審方針
http://mainichi.jp/select/today/news/20111126k0000m010071000c.html?inb=Rae

今回のみならず前回以前までの討議事項含めて、今のところ決まり始めている項目を箇条書きすると以下のような感じでしょうか。
  • 避難始期を事故当初と一定期間経過後とに区別して対応を分けるのをやめた
  • これの賠償にあたっては対象区域を(恐らく市町村等単位)で設ける
  • 自主的避難した者のみならずそのまま滞在した者にも等しく精神的苦痛があったからこれを同額賠償する
  • 放射線被曝に不安のより大きいと思われる子供や妊婦については賠償額を加算する
  • 精神的損害賠償については期間(半年or一年)を定めてその通算額を認める(月いくらではなく)
  • 自主避難した者にかかる避難費用等は精神的損害とは別個に賠償する
ぱっと見ウチの県知事が言っているような「福島県民全員賠償」のようなスキームなのかという印象を持ったのですが、けっきょく区域設定するんですよねぇこれって。これをどれくらい広範に渡って設けるか(或いは設けないのか)、そこがキモとなりそうな気がします。もっと言ってしまうと、人口の多いいわき市や福島市や郡山市まで含めるかどうかってことなんですが。前回までの議事録しか読めてないですが、何となく「避難指示等区域の敷かれている市町村及び周辺地域」という条件で設定されそうな雰囲気はありますけどどうなんでしょう。

それにしても滞在者を同額賠償するとかって結局、「誰がいつ避難したかとか実際に避難したかどうかなんて分からない」からそうするしかないのだろうなぁと思いますし、避難費用を別個に賠償するとしたってやっぱり「避難したかどうかなんて分からない」わけですし、それを証明する書類を添付せよなどとしたら当然非難囂々なわけですから、あんまり意味ないような気がします。つーかもし対象区域とされたなら、みんなで実際避難したか否かにかかわらず「沖縄までいったん避難しました、領収書なんてとってないよ」って言って貰えるだけ貰ったらいいと思うんですがねw

ちなみに警戒区域等から周辺地域に避難させられた人たちは、今回のこれによって上乗せで更なる賠償を求めることが出来るんではないかと思うのですが(避難した先で自主的避難等対象区域における滞在者になったということ)、これで「避難指示によって更なる高線量地域に身を置かせられたこと」の償いが多少はしてもらえるのかなぁという気がいたします。紛争審査会の委員の中には特定避難勧奨地点設定地域における、コミュニティの崩壊について言及していらっしゃるかたもいるようなので、是非とも指定者/非指定者のギャップを少しでも埋めるべく、自分の地元においてはこの自主避難賠償スキームに組み入れていただきたいと思います。

待望の特定避難勧奨地点追加指定 [地震と原発]

伊達、南相馬の37世帯追加=避難勧奨地点で政府―福島
http://news.livedoor.com/article/detail/6061121/

特定避難勧奨地点:37世帯を追加指定…福島の2市
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111126k0000m040083000c.html

純然たる線量基準超過地点が9つで残りは妊婦・子供配慮枠のようです。一応これまでの指定方法を踏襲した模様でそれは良かったのですが、そもそも指定の絶対数が少ないといえば少ないので諸手を挙げて喜ぶべきかというと・・伊達市はこれまで旧霊山町内だけに避難等指示区域を抱えておりましたが、旧保原町内にそれが初めて及ぶ格好であり、くだんの富沢地区は米のセシウム検出問題に揺れる福島市大波地区に隣接している地域です(自分とこ、霊山町小国地区もそうだけど)。

東電の精神的苦痛に対する損害賠償額が9月以降の分も引き上げになったところ(http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/111125/cpb1111250504006-n1.htm)であり、もちろん自分も新生活への支えが増えてホッとしているわけなのですが、今回追加指定になった人たちに対しても多少の追い風になるだろうという思いでこの報道を眺めておりましたが、以前のエントリーで申したように、11月から賠償対象とするでなく、せめて何とか今回指定の根拠となる事前調査時点以降を対象としてもらえないものかと考える次第です。7月からなら初回指定世帯と一ヶ月しか差がなくなるわけですし。

と、別件の話になりますが徐々に自主的避難者に対する賠償への指針も整いつつあるようで、それが避難者だけでなく留まった者へも等しく行なう、という方向をとりつつあるようですから、この特定避難勧奨地点指定以前の時点への補償というものも、もしかするとそれによって補われ得るかもしれませんが、その話はまたエントリーを変えて。

ちなみに私が東電からいったん受け取った3月から8月分の賠償請求結果においてですが、妻子が3月時点で避難した際の費用というものは(特定避難勧奨地点以前時点のことですが)フツーに通っておったのです。精神的苦痛への賠償については、特定避難勧奨地点対象者記入欄が6月からしか記載できないような様式になっているので悔しくも不請求状態なのですが、とにかく現状でも避難等指示区域対象者の指示以前の自主的避難については、東電は賠償することを認めていると思われます。

同位体研からの声も聞いてみたいところ [地震と原発]

横浜のストロンチウム、核実験で降下…文科省
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20111124-OYT1T01062.htm?from=main5

文科省が調査したところSr-89不検出ということで、関東圏で発見されたと伝えられていたストロンチウムについては、フクイチ由来でなく核実験時代の降下物であるという判定を下したようです。かつSr-89を検出していた横浜市の調査結果については、以下のプレスリリースにおいてこのようにバッサリ斬り伏せております。

横浜市が採取した堆積物及び堆積物の採取箇所の周辺土壌の核種分析の結果について
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/5650/2011/5650_1124.pdf

>横浜市が採取した堆積物について、横浜市の依頼を受けて(株)同位体研究所が核種分析 を実施した結果、ストロンチウム 89 とストロンチウム 90 の合計値は最大で 129(Bq/kg) 検出されていたが、文部科学省が同試料について、文部科学省放射能測定法シリーズ「放 射性ストロンチウム分析法」に則り、核種分析を実施した結果、ストロンチウム 89 は不検出であり、ストロンチウム 90 についても不検出もしくは、微量しか検出されなかった。
○同研究所が堆積物に含まれるストロンチウムの定量にあたって使用した核種分析の手法 は、同社の HPによれば、固相抽出法と想定されるが、これまでの(財)日本分析センターの実績や海外の文献によると、この手法ではラジウム、鉛などベータ線を放出する天然核種、あるいはベータ線を放出する子孫核種が抽出されることが示されている。
○このため、堆積物に含まれるストロンチウムの定量にあたって、同研究所が固相抽出法を使用しているようであれば、ストロンチウム 89 及び 90 のほか、ベータ線を放出する天然核種を含めて測定している可能性がある。
○堆積物や土壌に含まれる放射性ストロンチウムを分析するためには、文部科学省放射能測定法シリーズ「放射性ストロンチウム分析法」(平成 15 年改訂)に従い、核種分析を実施することが重要である。

同位体研究所さんは私もかつて土壌中のセシウム検査を依頼したことがある検査機関ですが、ストロンチウム検査についても有償で引き受けてやっているところですので、かくも真っ向から検査手法を否定されるようだと反論すべきは反論すべきでしょうし、指摘どおりの可能性があるのならそれについて顧客にアナウンスがあったかどうかなどもつまびらかにすべきだろうと思います。

我々一般市民はまだまだ中華ガイガーの信頼性の乏しい数値でさえ「曲がりなりにも"放射線計測器"が出した数値なんだから」とそれを信じてしまったりする向きがあるわけなのですから、しかるべき検査機関に大枚はたいて依頼した調査結果など当然そのまま鵜呑みにしてしまうでしょうし、周りの人間も疑いなく見てしまうと思うのです。数値が一人歩きして要らぬ不安や混乱をもたらさないよう我々も徐々に賢くなりつつあるなか(少なくとも自分は賢くなりたいと日々あがいている)、今回のこれはいろいろ考えさせられる話題であります。

とにかくこのまま一方が言いっぱなしで終わらずに、同位体研さんも戦える余地があるならば是非是非バトってほしいところですw単なる喧嘩見物したいだけの、野次馬根性かもしれませんがw

賠償対象期間の遡及措置を! [地震と原発]

週末にも追加指定 避難勧奨地点、伊達市の富成と小国 
http://minpo.jp/view.php?pageId=4107&mode=0&classId=0&blockId=9909358&newsMode=article

私の世帯がくだんの特定避難勧奨地点指定されたときの事前戸別モニタリングは6月中旬に行なわれて、指定が発効となったのが同月末日。今回の追加指定の基礎となる調査が行なわれたのが7月下旬と8月中旬で、既に3ヶ月以上が経過しようとしております。東京電力の特定避難勧奨地点への賠償方法は、「国が指定した期日を以て賠償始期とする」というものであり、もし仮に今月実際に指定ということになれば恐らく今月からしか賠償対象とならないのでしょうから、3ヶ月も前からそれ相当に線量が高いということは判明していたのに、それって無いよねぇと思うわけです。

それを言い出したら3月当初から年間20mSvを超える恐れがあったわけだから、最初っから責任とれよ!!とも言えるわけですけれども(ほかならぬ自分も言いたくて仕方ないww)、せめて特定避難勧奨地点指定のための事前調査だったんだからその時点(7月か8月)からはカウントすべきだと思いますし、国がそーいう仕組み(事前調査→指定)でやりますよ、と掲げてしまったせいで、事前調査を受けて以来ずーっと指定になるかならぬかドキドキしながら待っていた人がいるだろうわけなのですから、そうした部分をふまえて初回指定者以上の手厚いケアをしていただきたいと思います。

さて、「市は線量基準超過地点(富成2地点、小国1地点)を中心に追加指定を要望しており」と記事にはありますので、妊婦・子供指定ルール(年間20mSvを超える恐れのある地点近傍の、妊婦や子供のいる地点を併せて指定する)の緩和的適用が大いに行なわれることを期待しております。とにかく実際指定までかなーり遅くはなりましたが、福島市みたいに除染に完全に舵切らず、世間が除染の大合唱に包まれる中「空気読まずに」避難指定を求めるあたり、ひとまず伊達市イイヨイイヨーと言っておきますw

航空機モニタリング結果の改訂について [地震と原発]

採用試験が正念場を迎えています。どっちも受かったらどうしよう?という贅沢な悩みを思い描いておりましたが、いろいろあって現時点でどちらか一本に絞って臨むこととなりました。いやぁ自ら退路を経って戦うような心境で、かなーり緊張しています。

文部科学省による、岩手県、静岡県、長野県、山梨県、岐阜県、及び富山県の航空機モニタリングの測定結果、並びに天然核種の影響をより考慮した、これまでの航空機モニタリング結果の改訂について
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/1910/2011/11/1910_111112.pdf

空間線量マップは表示地域が増えたぐらいの変化しかありませんが、セシウム沈着量マップの方はめちゃんこ様相が変わっているので要チェックです。いわく、「放射性セシウムの有意なエネルギースペクトルが検出されていない地域」については、セシウム不検出(10kBq/m2のレンジ内)としてみなすということで、前回斑模様でお目見えした新潟県や秋田県の汚染マップについては、すっかり「世は全て事もなし」といった平穏無事な状況を取り戻しております。

しっかし低精度だとはいえエネルギースペクトルデータがあって、セシウムのピークが見られていないのも分かっていながら杓子定規に線量換算で沈着量マップを作って、一旦は公表したうえで今回差し替えってのはどうだったんでしょう。過小評価主義から一転、バカ正直にやっちまいましたということなのかもしれませんが、わざわざ新潟県辺りからの文句を呼び込むような真似をしなくてもよかったようにも思うのですが。

とりあえずセシウムはないけれども周囲より線量の高いところは、(事故以前の状態は分からないが)恐らく元から自然放射線量が高かったんでしょう、と解釈するしかないのだと思いますが、せっかく秋田県内の該当地域周辺については測り出しているので、後学までに続行していきたいと考えています。非汚染地域の様相と、汚染地域の様相とを自分なりに確認・蓄積して、今後の計測に活かしていきたいと思いますので。

東京電力から3-8月期賠償請求結果が届いた [地震と原発]

今回の賠償請求期間においてはそこまで揉めそうな請求内容は含んでおらなかったので、案外すんなり請求どおりに通った感じですが、やはりというか、放射線計測器購入費用についてはきっちり上限額(10万円)で足を切られました。また、放射線計測器についてはどの項目で請求すればよいかわからなかったため「その他」項目で請求しておりましたが、「検査費用(物)」が正しいようで東電の方であるべき場所へと金額を移してきておりました。
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ちなみに例の批判を受けた合意書についてですが、文面がこれで改まっているのかどうかは分からないのですけれど、「今回請求期間において請求金額の発生している項目の金額についてそのとおり合意する」という性質の書類になっているようで、注意書きにもあるように、請求の発生していない項目(***の表示されている部分)については合意の対象外となっており、相談室に電話でも問い合わせてみましたがやはり、不請求項目については(例え合意書を書いたとしても)今後追加請求できないこともないようです。

ただし注意すべきは、「請求額発生項目についていったん合意してしまえばその期間中その項目についての再請求や追加請求はできない」というところで、相談室の担当のかたからも気をつけるよう言われたのですが、私の場合、放射線計測器購入費用の請求項目が「その他」から「検査費用(物)」に移って「その他」項目が請求金額ゼロ円となっているわけですけれど、金額が入っている以上はこれでも「請求発生項目」としてみなされるそうで、このまま合意してしまった場合、後からこの期間中における「その他」項目の請求をしたくっても出来なくなってしまうようなのです。

まーなんにせよ慎重に事に当たるべきかと思いますし、請求書送ってから追加請求したい(できる)項目に気付いたというところもあるので、いったん保留させていただきますです。

大波で出て例えば小国で引っかからないってことは [地震と原発]

ないと思うのですがこれから一体どういう展開を見せるんだろうと案じていた、例の福島市大波地区で玄米から基準値オーバーのセシウムが検出された問題、「地形によるレアケース」としてこのまま幕引きかと思いましたが、まさか(というのはあくまで先入観バリバリの自分の印象ですが)の農協サイドから、全戸検査体制を要望したようです。

福島県産米 県が方針転換 セシウム微量検出でも全戸検査
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/11/20111118t61014.htm

「混ぜて売れば何でもない」から「セーフとアウトをきっちり弁別して活かせるところは活かす」という風に売り手側が覚醒を果たしたのでしょうか。いや全部ワタシの勝手な決め付けなので聞き流してください、誰が悪いとか自分には指弾することは出来ませんし、誰もが福島の農業を殺すまい、と思ってここまでの経緯で来たのでしょうから、自分はとにかく「(放射性物質が)入っているものよりは入っていないものの方が・・」という、いち消費者としての極めて狭量な視点からしかものを申し上げることができませんし、また一応GCPで「測る」ということについての片鱗を学んでいる自分としては、検査体制の物理的限界という事情に半ば同情気味に思いを致すところもあるのです。

それで、もし全戸検査のようなきめ細かい調査をやるとしてその結果がどのように世に出るのか(
出ないのか)分からないのですが、今回話題に上った大波地区のお隣の、我が地元伊達市霊山町小国地区の生産米の詳細なる実情が広く明らかになるということは、結果によってはやはり心を痛めざるを得ないところです。(http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/mon230927-1006r.pdf 本調査時のこの最高値を更新する可能性は充分あると思うのですが)

ただ伊達市では核種分析まで出来るベクレルモニターを各役場支所に配置して、住民が自分の作ったものなどを測る、というスタイルも普及しつつありますから、内部では既にある程度見えてきたりしているわけでもあります。見えてないのはけっきょく外部の消費者ばかりか。「旧○○村産」まで表記されては売られていないですからね・・そう考えると全戸データがあったとしてもそれによって消費者の購入スタイルが変わるということはないのか。あくまで、売り手の内部で「これは出さん、これは出す」と選り分けるというだけで。

ちなみに自分ちではお米を作っていないのでその伊達市の測定所で測ってもらったのが母親の実家(桑折町)の玄米と、自分ちの畑のいちじくで、前者が20.2Bq/kgで、後者が120Bq/kg。前者は空間線量の割にはやや高いという気がするし、後者については(5月時点のものとはいえ)その畑の土壌調査や推移的な空間線量のデータを持ち合わせている自分としては、いろいろ考えられる材料となりそうな気がします。あぁでも、いちじくの実への移行ルートは、根から土からではなく、葉から幹からなのかなぁ。

見えない世界に色をつけるのは・・ [私]

どっこい生きてる自分の近況はというと、秋田という新天地で今後暮らしを立ててゆくための肝心要の足がかりとなる再就職については、今んとこまだ第一志望と第二志望とが生き残っているという望外の展開を見せているが、まだまだ油断はできない。でもそんな精神的余裕を生むような要素がなくもなかったりするものだから、この半年以上の間その気があまり起こらなかった趣味への関心というものが、徐々に再起動してきている感じもしている。

サカナクションの『エンドレス』に思いを致すことが最近多い。曲解といえば曲解なのだけれども、一応福島という被災現地に居た人間ではあったもののそれでもやっぱりインターネットを介して今回の事態や人々の考え方や振る舞いを眺めていることのパーセンテージが多かった自分としては、悲しむ人の後ろからそれを笑う人(以下連綿と続く)、あるいは怯える人の後ろからそれを煽る人(以下連綿と続く)という不毛な関係のエンドレスぶりにはだいぶ心を痛めたものだし、今や福島を離脱した自分にとって「悲しくて泣く人の後ろから自分は何て言おう?」という歌詞には大いに共感を寄せるところがあるのである。

自分はそうした悲しむ人たちの脇にも前にも立つことができないんだよなぁ、せいぜい後ろから声をかけることぐらいしか出来ないんだよなぁということを意識するたびに、自分の「特定避難勧奨地点指定による避難者」という中途半端な立ち位置にはひたすらもどかしさを覚えるのだし、と言いつつも自分はその都合のよい立場を活用して上手く立ち回ろうともしているのだから、文句も言ってられまいとも思っているのであるが、ともかく自分が今思うのは、ネットで展開する空しい連鎖に関わりたいという気はさらさら無くって、「その声は僕だ」と正々堂々と明らかにしながら、良き循環がエンドレスとなるよう自分に出来ることをしたいという決意のことである。



TC100と他シンチレーション式測定器との比較計測 [地震と原発]

GCPの集まりの合間にこんな内職をしてしまった。関係各位には申し訳ないが、シンチレーションカウンターがあれだけ一同に会する状況では、自分のモノとそれらとを並べて測らずにはおれなかった。できれば屋外でも試してみたかったが、とりあえず屋内2ロケーションでの比較計測結果は次のとおり。

Techno-AP TC100と他シンチレーション式機器との比較計測

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