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自主的避難者等への賠償の進展に思うこと [地震と原発]

自主避難賠償 子どもなど増額
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111125/t10014210051000.html

原発事故:自宅滞在も賠償…自主避難と同額 紛争審方針
http://mainichi.jp/select/today/news/20111126k0000m010071000c.html?inb=Rae

今回のみならず前回以前までの討議事項含めて、今のところ決まり始めている項目を箇条書きすると以下のような感じでしょうか。
  • 避難始期を事故当初と一定期間経過後とに区別して対応を分けるのをやめた
  • これの賠償にあたっては対象区域を(恐らく市町村等単位)で設ける
  • 自主的避難した者のみならずそのまま滞在した者にも等しく精神的苦痛があったからこれを同額賠償する
  • 放射線被曝に不安のより大きいと思われる子供や妊婦については賠償額を加算する
  • 精神的損害賠償については期間(半年or一年)を定めてその通算額を認める(月いくらではなく)
  • 自主避難した者にかかる避難費用等は精神的損害とは別個に賠償する
ぱっと見ウチの県知事が言っているような「福島県民全員賠償」のようなスキームなのかという印象を持ったのですが、けっきょく区域設定するんですよねぇこれって。これをどれくらい広範に渡って設けるか(或いは設けないのか)、そこがキモとなりそうな気がします。もっと言ってしまうと、人口の多いいわき市や福島市や郡山市まで含めるかどうかってことなんですが。前回までの議事録しか読めてないですが、何となく「避難指示等区域の敷かれている市町村及び周辺地域」という条件で設定されそうな雰囲気はありますけどどうなんでしょう。

それにしても滞在者を同額賠償するとかって結局、「誰がいつ避難したかとか実際に避難したかどうかなんて分からない」からそうするしかないのだろうなぁと思いますし、避難費用を別個に賠償するとしたってやっぱり「避難したかどうかなんて分からない」わけですし、それを証明する書類を添付せよなどとしたら当然非難囂々なわけですから、あんまり意味ないような気がします。つーかもし対象区域とされたなら、みんなで実際避難したか否かにかかわらず「沖縄までいったん避難しました、領収書なんてとってないよ」って言って貰えるだけ貰ったらいいと思うんですがねw

ちなみに警戒区域等から周辺地域に避難させられた人たちは、今回のこれによって上乗せで更なる賠償を求めることが出来るんではないかと思うのですが(避難した先で自主的避難等対象区域における滞在者になったということ)、これで「避難指示によって更なる高線量地域に身を置かせられたこと」の償いが多少はしてもらえるのかなぁという気がいたします。紛争審査会の委員の中には特定避難勧奨地点設定地域における、コミュニティの崩壊について言及していらっしゃるかたもいるようなので、是非とも指定者/非指定者のギャップを少しでも埋めるべく、自分の地元においてはこの自主避難賠償スキームに組み入れていただきたいと思います。

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コメント 5

K

トピずれですが、ここにコメントさせていただきますが・・・

「伊達のコメから規制値超のセシウム」という報道がありましたが、
小国、月舘とありましたけど、
これって避難勧奨地点とかなんでしょうか?
大波とは続いているんですよね・・。
避難勧奨なる前に作付けしていたということなのか、それとも
避難勧奨地区以外の場所なのか、どうか、教えていただければうれしいです。
by (2011-11-29 17:09) 

hal

>>Kさま

コメントありがとうございます。出てしまいました伊達市の高汚染米ですが、おっしゃるように名前の挙がった小国と月舘とは、確かに特定避難勧奨地点を抱える地域です。ちなみに特定避難勧奨地点というものの定義は、地点指定されてもその場所における生産活動を妨げない、とされており、地点指定が農業に与えた影響というものは極めて限られております(住民が避難にかかり途中でやめたとか、避難指定されるような場所なんだからやめた方がよいかも、と住民が自粛したとか、そーいうことはあったかもしれませんが)

とにかく4-5月時点では、そのような避難等指示がくだされるという話はなかったものですから、他の地域と同様、「まずは作らないと補償もされない」とばかりに、行政からストップのかからないまま地区住民はおそるおそる(たぶん)稲作を開始したわけです。私はそれを「大丈夫なのかなぁ」とハラハラしつつ眺めていて、自分ちでは田んぼはやっていなものですから、自腹で畑の土壌調査をして、その恐るべき結果を県にも投げてみたのですが、調査方法に不備があったのではないか?ぐらいの反応でおしまいでした。

ご承知のように一応5,000Bq/kgという土壌汚染基準が設けられており、それに引っかかれば途中でストップをかけられる可能性もあったのかもしれませんが、耕起して流水の入った田んぼの土がその基準にひっかかるということは結局なく、実りの秋を迎えてしまいました。

我が小国地区では、田んぼではありませんが畑で5,000Bq/kgを超えた結果が出ており、田んぼというかお米も危ないのではないかと思っておったのですが、運がよいのかわかりませんが予備検査、本検査とくぐり抜けて例の安全宣言と至ったわけですが、お隣大波で出て、地勢的にも似ていて汚染度的には大波を凌駕するであろう小国地区で出ないわけがないだろうと思っていたら案の定、という感じです。

行政の土壌検査や米の検査が「低く出るよう狙って」行なわれたかどうかは分かりませんが、とにかく「高く出そうなところを狙って」行なえばあっさりこーいう結果が出るくらい汚染された土地であることはやはり間違いないのだなぁと、今回の結果を受けて言えると思います。

これまで土壌汚染基準を超過していたり、実際作付け制限のかけられていた地域というのは、計画的避難区域や警戒区域内にすっぽり収まって、いわば「こと無き」を得てきたわけなのですが、汚染米が話題になった二本松や大波、そして伊達市は今もフツーに人が住んでいる場所でありまして、いよいよ行政の避難設定との状況ギャップが鮮明になってきているように思います。

食べられないものが容易に生産されうる場所なのに人が住んでいる、或いは人が住んでいる以上生産活動をしていかねばならないがそこで生産されるのは食べられないものだ、という何とも異常な状況ですね。
by hal (2011-11-30 01:35) 

K

ありがとうございます。よくわかりました。
「低い場所を狙って・・・」というご指摘ですが、私も、福島の友人に同じことを聞いたことがあります。やはりそうなりますと、原発ではないですが身内がやることへの問題点が浮き彫りになってこようものですね。そこはなんとかならないものでしょうかね・・・
halさんが県にせっかくに話されたのに・・・。でも、国の縛りがあるからこその対応なのかもしれませんが・・・。

私は、「伊達」「二本松」「大波」あるいは「福島」というふうに全部で語られることはよくないと思います。そのために今回お聞きしたんですが、
今回の小国のコメについては、生産者の方はもう避難されているんでしょうかねぇ・・避難勧奨というのは、玄関ともう1カ所?をはかると聞いたよな気がしますが、玄関ということは民家だけに当てはまるのでしょうか。

もちろん、大波や小浜地区では、避難勧奨はなかったでしょうが、小国の場合は生産者単位で見た場合、あとから結果として、避難勧奨されたのかどうか、、、と思ったわけなのです。それとも免れた方が作っていたお米なのか?と。

こういう報道がボディのように続けば、その地区を避難させることの前に、福島の農業がつぶれるからなのです。というよりも、福島の農業がじわじわとつぶれない限り、避難はありえないだろうと思うからなのです。何か悪い方に行かなければよいがと思うのです。

東大で報告があったようです。ご存知かもしれませんが・・・こちらです。
http://tsukuba2011.blog60.fc2.com/blog-entry-484.html#cm
by K (2011-11-30 14:19) 

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