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イントロダクション
2011年初頭、順風満帆に、かつ地味穏便に出発を切ったはずだったセカンドブログ、『2011年嫁に夢中の旅』、私にとって遅れて始まった育児日記であり、妻との迂遠なコミュニケーション手段にもなるはずだった本ブログは、去る3月11日以降、一転してこの未曾有の大災害に見舞われた私という人間の有り様を記録し続ける、原子力災害被災者日誌と成り果てた。

年間20ミリという避難指示相当の線量の地点を抱えるがゆえに、特定避難勧奨地点によって引き裂かれつつあるように思われるこの伊達市霊山町小国地区において、妻子を逃した自分がなおも留まり続けるのは、不運にも飛び地のようにして高汚染に見舞われているこの地域とそこに住まう人々に対して、「何か出来ることがまだあるかもしれぬ」と悪あがきしたいがゆえ。でもそのじつ、ただのフツーの人間らしく社会的しがらみを決然と断ち切ることができないでいるだけなのだが。

人類がいまだ体験したことのない大災厄を前にして、残りの人生において後悔することなきよう振る舞いたいという自分のややヒロイック(かつ家族に負担と犠牲を強いるという意味でエゴイスチック)な願望と、一刻も早く家族三人しっぽりひっそりと暮らしたいという切なる願いを胸に、先の見通せない2011年、私の旅は続いてゆく。

Techno-AP TC100線量水準別校正計測試験(まだ途中) [地震と原発]

Techno-AP TC100線量水準別校正計測試験
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伊達市内の県計測地点の線量水準を眺めると、だいたい0.3μSv/h刻みで校正ポイントを見繕ってやるのが都合良さげなので、今後未計測部分を埋めていって、0.1から2μSv/hくらいまでのTC100の計測値を確かめていく予定。秋田と福島、いずれの地域でも使用に耐え得るような性能が証明されるといいのだが。それで、現時点での感想を申し上げると、TC100と同様のエネルギー補償付きシンチレーション式のA2700に似た感じの数字の出し方だなぁと。端的に言うと、県測定値より低めに出るという。

ちなみに伊達市内の県計測地点のうち、前出の小国ふれあいセンター以外の地点の具体的な計測ポイントは下の写真の通り。みなさん計測器を手に入れたらまずはより精密度の高い県使用機との比較にトライしてみましょう。

1.下小国中央集会所
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2.霊山パーキング
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上記写真だと側溝蓋からの距離をどのようにしてとっているのか分からないが、たぶん足元のこれ↓を目印にしている。
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3.相よし公民館
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全箇所回ってみて気付いたのが、下小国中央集会所や相よし公民館の計測地点は、「背後に壁や建物など遮蔽物がある」という点で共通していて、もしアロカサーベイメータに強い前面への指向性というものがあるとすればそれはあまり影響がないかもしれないけれども、全方向からちゃんと拾っているとするならば、実状より低めに数値を出しているんではないのかなぁと。

テクノエーピーTC100による秋田県内における独自の空間線量調査マップ [地震と原発]

最近、採用試験に注力していたため更新ができておりませんけれども、いよいよリコールかかって修理返送していたTC100が戻って来て計測にもカムバックできそうなので、見切り発車的ではありますが秋田県内でのこれまでの計測結果をマッピングして。

Techno-AP TC100による秋田県内空間線量調査

より大きな地図で Techno-AP TC100による秋田県内空間線量調査 を表示
※Techno-AP TC100(シンチレーション式)90秒モード、地上高1mにおいて待機時間180秒経過後から90秒おきに5回計測値を採取して求めた平均値。原則コンクリート・アスファルト上で計測。

まだ秋田県内での行政測定地点における校正計測を実施しておらず、すなわち校正換算していない素のままの数値で表示させてありますので、TC100の数値傾向評価が定まらない以上数字の高低そのものについてはまだ何とも言えないところがありますが、少なくとも同じ器械で同じ条件を心がけて測ってはいるので、現時点でも相対的比較は可能かと思います。

先の文科省航空モニタリングによって明らかになった県央部のうっすら汚染部ですが、該当エリアには直接分け入ることはできていないものの(たぶん車では入って行けない)、その近くや麓においては計測を実施開始しております。今のところそこまで問題となるような状況が見えてきているということはないように思いますが、ここもあと何回か行ってもっと測ってみないと・・雪が降って今までと近似環境で測れなくなってしまう前に。

放置自転車があんまり放射化していなかった件 [地震と原発]

あの大きな地震が起こり、流通がストップして、誰もがガソリン不足に喘いでいた頃、自分もご多分に漏れずチャリンコ通勤に切り替えてガソリン節約に励んでいたわけだが、3/15のあの不穏な空模様、県中県南地方での急激な放射線量上昇の報を受けて、「今日はやめといた方がよさそうだ」と夕方、親父に車で迎えに来てもらって以来ずーっと、会社の事務所の外で風雨に晒されてきた私の初めてのクロスバイク、ジャイアントエスケープR3.1。

たぶんもう使えないだろうとそのまま諦めていたのだけれども、一応試すだけ試してみようと思って先日前の勤め先に回収に行き、高圧洗浄をかけダイシャリンでパンク修理してもらってこの秋田の地に持ち込んでみたのであるが、ギアの調子がいまいちだけれど充分乗れるには乗れそうなのだけれども、問題はやっぱり気になる放射化の問題。秋田のような低線量域であれば、その徴しが些細な程度であっても感知できるものと思って、手持ちの線量計でさっそく検証をしてみた。

※以下線量計の数値表示を映した写真を掲載するが、あくまでこれはシャッターを切ったその瞬間の数値でしかなく、誤解された形でこの情報が世に渡らぬよう、予めそのことを念押ししておきたく思う。
自転車放射化検証.jpg

これはこの辺のエントリー(http://2011yomemucyu.blog.so-net.ne.jp/2011-10-31)に出てくる、秋田県大仙市の屋内に自転車を置いて計測したものであり、自転車に接触させない状態でTC100が指し示す数値は、瞬間的な上振れ値を拾ったとしても0.06絡まり止まりであるので、ほんの少しではあるが自転車の近くでは放射線量が0.01ほど上昇している、ような気がする・・でも想像していたより全然影響が少ないなぁというのが個人的感想。なので直に手で触るハンドル部のゴムグリップだけはさすがに気持ちが悪いので、そこだけ交換して乗り続けることとした。大仙市一円に広がる広漠とした田園地帯を、これで乗らりくらりしたい。

ちなみに上記の検証結果を自分が「大したことねぇじゃん」と比較的軽く受け止められる理由の一つは、前から書こうか書くまいが迷っていた自動車の放射化問題を目の当たりにしている(と思っている)から。フィルター交換や下回り洗浄、それから高圧洗浄かけても線量が一向に下がらないその原因を、自分はこれまで塗装や樹脂部の肌理に放射性物質が入り込んでそれで取れない=下がらない、と思っていたのだけれども、自動車放射化においてもやはり「セシウムは土に吸着しやすい」というセオリーが通用するようで、直接的に洗い流すことのできない、車体の入り組んだ部分に残りこびりついている土砂が恐らく線源である模様。下図は左から何もない状態→車体前部のパーツを外したもの→そのパーツを外した中にあった「自動車版雨樋」のような部分にこびりついていた泥を拭ったタオル。
車放射化検証.jpg

福島だと外の線量が高過ぎてそれに紛れて検証が難しいけれども、とにかく3月中屋根のある駐車場や車庫内に置いていなかった雨ざらしの自動車の場合、もしかするとこーいうことが起こっていることもありますよー、というお話でした。ちゃんちゃん。

原発現地いまだ収まらずか・・ [地震と原発]

福島第1原発:キセノン検出確認 「長時間臨界」は否定

今の今更になって初めて万人の知るところになった事実、ではなく、8月時点で既に一度検出確認されていたけれど華麗にスルーしてたってところに、「知ってて放置したってことは大丈夫なんでしょ?」と少しばかり楽観を覚えないでもないがw、東電の「でも大丈夫」はアテにならないことは事故以来何度も目の当たりにしてきているので、自分も一応総悲観モードで阿鼻叫喚の声でも上げとこうかな・・イヤァアアアッッ!!!しかし両隣(1、3号機)も恐らく同様なんでしょ?これまでライブカメラの映像を観てはたびたび「最臨界?!」みたいな話題が取り沙汰されていたもんだが(Twitterとかで)、あながち間違いではなかったのだなぁと、その狂騒ぶりを冷ややかかつやや懐疑的に眺めていた自分の態度を恥じ入ってみる。

危険かどうかについては職者の見解が出揃うのを待ちたい。ただ、放射性物質が大量にバラまかれて今後何年も共に在り続けるしかないという既存の状況でさえ異常中の異常なのに(みんな慣れてきてるが)、そこに来て原発現地のリスク再燃ということでみなが除染熱から解き放たれ、もう少しいろいろな進路や手段を考える契機となれば良いとは思う。また既に避難した身としては、政府が急いで達成を目指す「冷温停止"状態"」と今回発覚した事象との関わり合いの部分がとても気になる。

些少ではあっても核分裂を抑制できていない=統制下に置けていないのだから、原発現地リスク解消とともに帰し始めている緊急時避難準備区域や(線量の低い)警戒区域についての処遇はどうしたって再考はするべきだろう。それでも取り繕おうとする国や東電の姿にはもう無理すんなよ、意地張るなよ・・と憐憫の情すら覚えてくる。当初のロードマップに合わせて東電の賠償期間や賠償内容の設定もひとまず来年3月までと区切って示してあるが、もうその先の分も覚悟しておいた方がよいのではないか。とにかく「帰す」「達成する」と決めちゃったから何があっても「大丈夫」で押し通す、ということだけはするのを止めていただきたい。

戦いはまだ終わってない? [地震と原発]

本件とは関係ないことですが、一部過去エントリーとリンク先のGoogleマイマップにつきまして、関係各位に対してお詫び申し上げるとともに削除させていただきました。

「こんな零細ブログ」という思いからいつまでも脱却できなくて、どうしてもお目こぼしを狙って結構安易にいろいろ載せちゃったりしているわけですが、案外侮れないものなんです(まぁ今回のは完全×な部分があったが)。ブログがソーシャルメディアと定義されるのかちょっと分からないのですが、自分のフィールドで言いたいこと言いたいだけ放言し、「イヤなら覗きに来なけりゃいい」とふんぞり返れるのがブログのいいところだと思っているのですけれどもw、それなりに継続して見てくださるかたがいらっしゃるようになったり、ブログを読んでくれる人とリアルで対面することがあるようになると、さすがにやりたい放題も出来なくなってくるわけでして、どうせ何らかの社会の中で生きてゆくしかないならば、他のセカイもあるよなぁなどと、最近思い始めております。2012年の旅は、Facebookかmixiか、それともTwitterか・・



と言いつつ今年はここで今まで通りの進行でゆきますw先日の秋田避難者県人会芋煮会の際に遅まきながら気付いた「自主避難者多し」という事実、さきがけ新報の記事で具体的にその状況が示されておりました。

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半分が自主避難・・自分は避難等指示対象者なので自主避難のかたがたの心情には決して完全に寄り添うことができず、一方警戒区域・計画的避難区域のかたがたほど不自由もしていなく、非常に半端な立場で何を言うにも心苦しいところがあるわけなのですが、自主避難のかたがたの避難という行為はそれ自体、いまいちな対応しかできない行政へとノーを突きつけたという意味で、戦闘続行姿勢でもあるのだと思います。自分にとって秋田に避難してきたことはむしろ「終戦」のムードを伴っているものなので、そうした部分からも自分と他の避難者のかたがたのギャップというものが端的に表れているなぁと。

原賠審は徐々に自主避難への賠償について踏み込みつつあるわけですがいまだ具体化はしておらず、それを受けて東京電力もまた自主避難を賠償対象とすることを認めないままになっております。お金が貰えないことのみをとらえてどうこう言っているわけではなく、少なくとも東電という企業からは「それ、本当に必要だったんですか?(エ〜シ〜♪)」とみなされているというだけでも、精神的に耐え難いものがあるように察せられるのです。ゆえに、戦いはまだまだこれからなのだろうと。

そんな皆さんに対して自分はどうあるべきか、どう支えるべきか・・戦い方なんて忘れちまった、ウソ、というかそもそもちゃんと戦ったことがないのです。小国地区の住民運動はお手伝いさせていただたいたものの、基本的には隊列から数歩脇にずれて観察者視点で臨んでいたように思いますし、数十センチのコンクリでないて遮れないような無敵の放射線相手に戦え!なんて無謀な精神論に傾倒したこともありません。福島を外から見つめることに加えて、福島の外で福島続行中の人たちについても思いを致すということ、これからの自分には"二刀流"というスキルが求められそうです。

どんまい、テクノエーピー [地震と原発]

昨日の夕方、こんなメールが入っていた。

TC100シリーズについて、重要なお知らせがありご連絡させて
いただきました。

 不具合改修のお知らせ

この度、弊社製品「TC100」および「TC100S」にて、
電池残量表示が減らずに電源が切れる不具合があることが
判明致しました。

お客様並びにご関係の皆様には大変ご迷惑をおかけいたしました
こと、深くお詫び申し上げます。

誠にお手数ではございますが、下記送付先まで料金着払いにて
お送りいただきますようお願い申し上げます。

改修後、早急に返送させていただきます。

・・自分は購入後一度だけバッテリー切らしたことがあったのだが、「電源入れたまま放置しちゃったかなぁ」とそのときは意にも介さなかったのだけれども、そうか、そーいう不具合があったのか。言われてみれば確かに充電後一度もバッテリーの目盛りが減ったところを見たことがないなぁ、やっぱりこれも送り返さなくちゃダメなぁなどと思っていたら本日、他の不具合を発見。

パワーボタンを押しても電源が切れなくなった。ボタンが凹んだきりになってしまったとか、そーいう物理的事象ではなさげ。テクノエーピー社に連絡して返送時に一緒にその不具合も対応してもらうようお願いしたあと、しばらくして線量計を見たら(バッテリーが切れたのか分からないが)電源が落ちていた。まさかすっごい時間差でボタン押下の効果が働いたわけじゃあるまいwとにかくもう弄くり回さずにそのまま返送することとした。

出鼻をくじかれた感もあるけれど、今のところの使用感はそんなに悪くない(放射線検出数の確認が出来ると良いのになぁということと、秋田の低線量域だと堀場より表示値が高め&ふらつきが多めなのが気になる)ので早く修理を経て戻って来て欲しい。エアカウンター一個だけではどうしようもないことだし・・(MKS-05は福島の現地で頑張っている)

わたしがはじめてみた仮設の風景 [地震と原発]

先日文字通りのお邪魔でしかなかったのですが、福島市松川の飯舘村仮設住宅にちょっとだけお邪魔させていただく機会がありました。福井県のNPO「田舎のヒロインわくわくネットワーク」のかたたちなどが、支援物資やたんすの奥で忘れ去られていたような着物をどっさり持って仮設住宅を訪れたのに、縁あってちゃっかり帯同させていただいた次第なのです。

私は最初介在者がいない中、松川駅前でくだんのグループの皆さんと今日はいったい何のイベントなのかも分からずに所在無く一緒におって、あとから聞かされてはじめてその一団にテレビのコメンテータなどとしてお見かけする吉永みち子さんがいることに気付き、「あーそう言われれば!(何かみたことあるぜこのヒト・・)」といたく驚かされたりするなど、個人的にはややミステリーツアーの趣きのある展開だったのですが、聞けばみなさんが運んできた着物は、仮設のお母さんたちでリメークして売って自活する!というような非常に前向きな展開をもたらす支援物資であったそうで、最低限の生活をギリギリつなぐためのものではなく、生活により生彩を与えるようなものであるということを知るとともに、さっそく着物に袖を通しておどけている入所者のみなさんの和やかな様子を眺めていると、とても前向きな気持ちになれたりもしたのですけれど、やっぱりそれはどこまでいっても一面だけしか見ていないというか、表層的な受け取り方でしかなく、自分には仮設住宅生活を巡る問題や不安というものは見えていないという思いが拭えなかったのでした。

例えば飯舘村のような賃貸集合住宅環境の少ない場所では恐らくみなさんは一軒家にお住まいのことでしょう。現存するありとあらゆる世代が住まう何部屋もあるような豪壮な旧家もあったりするのでしょうし、そこから仮設住宅への移転となれば窮屈でしかたがないのかなぁと。自分は3.11までずっとアパート暮らしだったのでその辺がどうにもピンと来ないわけです。また静けさや自然の豊穣さと引き換えに都市生活の利便性という恩恵を受けるかといったらそうでもなく、仮設を建てるようなスペースは当然市街地にはそうそう遊んでいないわけですから、えてして不便で辺鄙なところに置かざるを得なくって、その日も仮設に向かう途中、飯舘村の名の記された緑のバスが、村民のかたを乗せて仮設から遠く離れた郵便局などを巡行しているのを見かけたのでした。

そんな仮設入居者の心情に寄り添うことの出来ない自分ですが、一つだけいかにも私らしい関心分野を通して、懸念や問題として見えてきそうなものを発見したのですが、それは何かというと放射線のこと。伺った福島市の松川という地は、市内でも比較的線量の低い部類であり、県が仮設で測って残していった測定値を見たところそれは0.15から0.25ぐらいで周辺環境よりも更に低い数値であったわけなのですが、それもそのはず仮設住宅というものは県北地方に放射性物質がザンブリ降りた3.15以降に人の手によって作られた人工的環境なわけでして、前出の県測定値の地上高1mと1cmとで数値が変わらないという辺りも人工環境ならでは、と思うのですが、一つ目の懸念というのは、低汚染ないし未汚染の資材をもって構築しているからこそそのように低いわけであって、これがもし汚染度の高いところの土や建材などを持ち込んで作ったならば、一転してそこに高線量地点が現出することだってあるよなぁと。

実際、松川のその仮設においても敷地内中央部で計測すれば県測定と同様低い数値がでるわけですが、敷地境界や(何を作るのかわからなかったのですが)敷地内でもっか工事をしているところの付近で測ると、松川の水準よりもそれなりに高い数値が出ているようなのでありました。もう一つ気になったのは集会施設の屋内で計測器をつけたまんまにしていたときのその数値が、屋外のそれよりも高いように観測されたこと。屋内に線源が滞留している可能性も否定できないのですが、自分がその原因として思ったのは、(前言を翻すようであれなのですが)放射性物質到来以降に作られたからこそ高いということもあるのではないかと。

というのも既にして在った家々については既に建っていたがゆえに床下に線源は基本存在しないと思うのですが、新しく建てられたものについてはこの道理が通用しないのでは?と。ちゃんと綺麗な土を盛ったり入れ替えたりしたうえで建設されているのならいいのですが、そのまま上に建てられてしまえば放射性物質が温存状態になり、それはすなわち既存の家よりも線源が一面多い状態といえるわけでして、例えば今までよく世に言われているような「屋内は二階の方が高い」というようなセオリーでは語れない、特異な住環境としてみなす必要があったりするのではないか、などと考えた次第です。

といっても自分の地元の方が遥かに線量は高かったりするので、そこまで大騒ぎするべきことなのかは判断に迷うところですし、仮設住宅に住まう人々にとっての懸念事項というものはそれ(放射能)に先んじて取り沙汰すべきことが沢山あるだろうとも思うのですが、自分が仮設にお邪魔している間にもスクールバスがやって来て小中学生の子どもたちを降ろしていったりするのをお見かけしたりすると、そのままにも出来ないよなぁと悩ましくも思えたり・・

今回はほんの短時間の訪問だったのでかように漠然とした記述しかできないのがもどかしいのですが、もし次回というものが許されるのならば、もっともっと詳しく調べてみて、少なくとも自分自身のモヤモヤだけでも解消させたいところです。

エアカウンター&TC100低線量域における計測試験1 [地震と原発]

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あぁもう計測エントリーのナンバリング訳分からなくなってきたのでイチから振り直しw引き続き比較的放射能汚染的には大丈夫と思われる秋田県大仙市内での計測試験。先日エアカウンターについてこの線量レベルだとまともな数字が出せないのではないか?という感想を持ったと書いたのであるが、この3日間計測した感じだとそこまでめちゃくちゃな数値でもないようだ。やはりあの0.1オーバーを連発したのは雨のせいなのだろうか。上の表では0.05μSv/h未満を仮に0.04μSv/hとして置いて平均等計算するという掟破りなことをしているが(さすがに1時間つきっきりで黒丸数えたりはできんかった・・)、とにかく何回も測って正確にしろおおよそにしろ平均をとるようにして使えば、この秋田では一切0.1以下を示さないウチのMKS-05(=ガイガーカウンター)よりはマシだと言えるのではないだろうか。値段も1/10だしあんまり高望みも酷だろう。

TC100について言えば、同じシンチレーション式の堀場PA-1000での過去の秋田県内計測体験をどうしても引き合いに出してしか考えられないのだが、堀場よりかはほんの若干であるが高めの数値を出すような気がする。瞬間的にはドキリとするような数値を指し示したりもするので、福島県北での校正計測の好結果に満足したまんまではおらないで、早々に秋田県内の県測定ポイントにおいても校正計測に臨みたいと考えている。んでも場所が雄勝と秋田市なんだよなぁ。大仙市からだとそれなりの遠出になってしまうので、それでいまだ実行できないでいるという。

ちなみにTC100については徐々に秋田県各地での計測に着手しているが、まだこの機械の信憑性が自分的にも掴めていなくて自信がないので発表できず。そんな状態なのに今日、秋田県内避難者の集った芋煮会の福島県来避難者セクション(うつくしま県人会ですな)において、嫁に促されるままに「皆さんのお近くの放射線量測ります」とか言ってしまった・・思った以上に周りのリアクションが芳しくって、言った本人が後から後悔するというパターンにw

しかし今日の芋煮会においては参加者のどなたかの機転から「福島からの避難者でも中通りと浜通りとで席をまとめてみましょう」ということになったらば、中通りからの避難者・・すなわち自主避難のかた・・の数が自分が思っていたよりかなり多いことが分かってびっくりした。彼ら(というか彼女らというのがおおかた正しいのであるが)は行政命令を受けて望むと望まざるとにかかわらず逃げさせられてきたわけでなく、放射能汚染に見舞われた自分の住まうエリアの状況に対して自らの判断と決断を下したうえでこの秋田にいらっしゃったかたたちなのであり、つまりは放射線量の高低や放射性物質の有無そのものを問題視・重要視していらっしゃるかたたちなので、ほぼ原発事故とは無縁といった情勢のこの秋田県における、一般的にはあんまり意義がないと思えるような自分の計測プランについても、いたく関心を示されてくれたのであろう。これだけ低線量域だと本来であれば県使用機相当の高精度・高感度の線量計が必要だとは思うのだが、これまでの経験で培われた「正しく測る」術と知識を以って、なんとかみなさんのお役に立ちたいと思う。


拝啓 愛チカラさま [私]

※これはフィクションでよくあるいわゆる”届かなかった(読まれなかった)手紙”的なものとしてお読みくださいwそしてこのような迂遠な形で愛情表現できないこと、関係各位にはご容赦いただけますようお願いするばかりです。

 先日は小国の子を持つ親御さんたちへの個別ヒアリングということで、遠路はるばる福島までお越し頂きありがとうございました。自分もたまたまそのとき小国に戻っていたことから、自分の手を既に離れ皆様の厚意と熱意によって堂々と築かれようとしている愛知と福島とのその絆の確かさを、図らずも垣間見せていただくことができ大変嬉しく思いましたし、小国のお父さんお母さんの抱える複雑な思いに相対したことにより、秋田へ避難したことに伴って徐々に薄れつつあった、当事者感というものを再度呼び覚まされた感もあり、今は胸のざわめきを宥めすかしつつ、「ここの子供たちのために何をかせんといかん」というモチベーションを静かに高めているところです。
 ときにわたくしごとですが先月のリターンズの際にはわたくし完全にヘソを曲げており、まったく受け入れに際してのお手伝いをしようという気がなかったこと、今更ながらここにお詫び申し上げたく思います。それは安全かそうでないかという直接的なことを問題にしたものではなく、放射能汚染地に生きる我々みずから、無用の被曝者を増やすことや汚染の拡大・拡散についてはケッペキな姿勢を示すべきである、というスタンスを問題にしたものであり、確かに自分も内心「基本屋内活動だし一泊くらいどうってことないじゃないか」などと思いたくなってしまうわけなのですが、「子供にとって安全かどうかは分からないが、とにかく不安であることだけは確かだから、ゆえにこそ私は行動=避難する」といっているような自分でさえも、結局どこかで禁を犯し、何の確信も根拠もないのに自分なりの安全かそうでないかについて常々判定を下してしまっているというのが自身許せないこともあり、それへの拒否感もあってあのような態度をとることとなってしまったのです。
 しかし今回愛チカラさまのお話を聞いていて改めて気づかされたことがあってそれは、「リスクを引き受けないでは成し遂げられるものも成し遂げられない」ということで、つまりやっぱり来福するということはノーリスクではないと。しかしもたらされるリスクに対して得られるかもしれない成果が遥かに勝っている、だから敢えてここにやって来るのだと。ここでいう成果とは、小国の子供たちが笑顔に満たされフツーに過ごせるようになること、であると思うのですが、皆様のその強い意思表明は私にとり、皆様が来福されることを自分の中でどうにか容認するための一助となりましたし、なにより皆様の活動が”自己犠牲”や”献身”なくしては有り得ないことを再認識し、感謝の念をさらに深めた次第です。
 ただ一つだけ申し上げたいのは、愛チカラの掲げる”We are family”がまさしくそうであるならば、自分にとって皆様の家族におけるポジションというものを想像すると実は子どもだということで(自分もまだまだ若輩者なのですが)、それも前途有望な可能性の宝庫のような子ども、のように思えるものですから余計にそうなのですが、つまりは私自身の子どもを此処に居させたくないと思うのと同様に、皆様のことも居させたくないと思ってしまうのが親の心情であるということを、ご理解いただきたいということなのです(それは小国の子どもたちについても同じなのですが)。皆様に無用の被曝をさせないためにはどうすればよいのかというと、それは言うだけなら簡単で、我々がここに留まっていなければ誰もわざわざこちらに来る必要がなくなるわけなのですが、それが実現可能かはともかくとして、家族の一つのありようが相互扶助であるとするならば、愛知の家族たる皆様との関係をより強くしつつある現状にあって、我々はそのこと・・家族に気遣ってもらうだけでなく相手のことも気遣う・・に自発的に気づかねばならないし、ことさら念頭に置いていかねばならないのではないかと思います。
 例えば我々が愛知に居を移し、正真正銘の愛チカラメンバーとなって、今度は小国ではない福島の別のどこかのだれかを、「避難した方がよい」とかき口説くのではなく、「家族になろうよ」という前向きな形でお誘い申し上げ、結果避難や疎開が促進されていく・・自分がかつて願っていた避難の輪の広がりが、今度は家族の輪の広がりという新たな形をとってそのように実現したらいいなぁ、というのはあくまで自分の妄想に過ぎないのですが、より地に足のついた夢の話としての”シェアハウス”もまた、自分にとってはその妄想と同じぐらいとてもいい音で鳴り響いているアイディアの一つであります。
 誰のお財布でそれを用意するかという部分に目をつぶれば、独力で愛知の地に福島からの移住の足がかりを築き上げようというそのプランには、ホームステイや寄宿学校などこれまで取り沙汰されてきた大掛かりな枠組みの話よりも実現性がありそうに思えますし、何より「愛チカラの家族が住む家」という部分には大いにロマンを感じるものがあります。自分がそれに対しどれくらいお力添えできるかは今のところ分かりませんが、単なる夢の話で終わらせたくないと固執したくなるような魅力を備えているのは事実であり、だからこそこうして懇々と思いの丈を綴っているわけであります。多少変奏されてでもこのアイディア、なんとか実現させたいものですね。
 長くなりましたが、今後とも愛知の皆様、小国の子どもたちのことをよろしくお願いいたします。それから、あまり激務に傾倒することなく確りとご自愛くだされますことを、切に望みます。次にお会いできるのが冬のアレなのかは分かりませんが、またお会いできる日を楽しみにしております。敬具

Techno-AP TC100校正計測1回目 [地震と原発]

Techno-AP TC100校正計測1回目
(10/27福島県北保健福祉事務所、伊達市小国ふれあいセンターにて実施分)

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二地点ともTC100の計測値は行政測定値とズレが少なく、なかなか期待が持てそうです、が!前回校正計測時に求めた校正倍率からいってポリマスターの安定感は高感度ゆえかすばらしく(他の機種は前回と今回とで校正倍率が結構違っている)、そこで敢えて県測定値でなくポリマスター数値をモノサシとして考えてみるならば、同じ県測定であっても保健所とふれあいセンターでは数値にズレがある、すなわち県がふれあいセンターで用いている計測器の方が、県が保健所で用いているそれよりも若干高めに数値を出しているように思えるわけなのですが、それが真であるとした場合、TC100の計測値がちゃんとそのことを反映した結果を出しているかというとそうではないので(ポリマのように求められる校正倍率がふれあいセンター>保健所となっていない)、もっと場数を踏んでみないといけないと思っています(さっきまでの話も仮定の上に仮定を重ねているのでそこの信憑性も突き詰めて確かめていく必要がありましょう)。

同じ場所で校正計測を重ねるのはもとより、異なる線量水準でも校正計測を行いたいと思っていて、そこで目をつけているのが一日2回午前と午後とに計測をしている「県北地方環境放射能測定結果」、ふくしま自治研修センター(約0.3)、果樹研究センター(約0.6)、福島市役所(約1.2)、相よし公民館(約2.1)、この辺を狙っているのですが、問題は計測の現場を押さえないと正しい計測ポイントが分からないということ。だいたいやって来そうな時間に当たりをつけといて、パンかじりながら車内で張り込みするしかありませんwちなみに聞けばこの県北地方の計測、委託業者の2人1組の2チームが分担して県北各地点を測りに回っている(つまり2台の計測器が投入されている)ということなのですが、公表試料の計測日時を見てどう組み立てても、2チームで回りきれてるようには思えないのですが真実はいかに(県担当者曰く、役場に置いてある計測器などは使っていなくって委託の2チームで全地点カバーしているということなのですが)。


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