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戦いはまだ終わってない? [地震と原発]

本件とは関係ないことですが、一部過去エントリーとリンク先のGoogleマイマップにつきまして、関係各位に対してお詫び申し上げるとともに削除させていただきました。

「こんな零細ブログ」という思いからいつまでも脱却できなくて、どうしてもお目こぼしを狙って結構安易にいろいろ載せちゃったりしているわけですが、案外侮れないものなんです(まぁ今回のは完全×な部分があったが)。ブログがソーシャルメディアと定義されるのかちょっと分からないのですが、自分のフィールドで言いたいこと言いたいだけ放言し、「イヤなら覗きに来なけりゃいい」とふんぞり返れるのがブログのいいところだと思っているのですけれどもw、それなりに継続して見てくださるかたがいらっしゃるようになったり、ブログを読んでくれる人とリアルで対面することがあるようになると、さすがにやりたい放題も出来なくなってくるわけでして、どうせ何らかの社会の中で生きてゆくしかないならば、他のセカイもあるよなぁなどと、最近思い始めております。2012年の旅は、Facebookかmixiか、それともTwitterか・・



と言いつつ今年はここで今まで通りの進行でゆきますw先日の秋田避難者県人会芋煮会の際に遅まきながら気付いた「自主避難者多し」という事実、さきがけ新報の記事で具体的にその状況が示されておりました。

2011110114200000.jpg

半分が自主避難・・自分は避難等指示対象者なので自主避難のかたがたの心情には決して完全に寄り添うことができず、一方警戒区域・計画的避難区域のかたがたほど不自由もしていなく、非常に半端な立場で何を言うにも心苦しいところがあるわけなのですが、自主避難のかたがたの避難という行為はそれ自体、いまいちな対応しかできない行政へとノーを突きつけたという意味で、戦闘続行姿勢でもあるのだと思います。自分にとって秋田に避難してきたことはむしろ「終戦」のムードを伴っているものなので、そうした部分からも自分と他の避難者のかたがたのギャップというものが端的に表れているなぁと。

原賠審は徐々に自主避難への賠償について踏み込みつつあるわけですがいまだ具体化はしておらず、それを受けて東京電力もまた自主避難を賠償対象とすることを認めないままになっております。お金が貰えないことのみをとらえてどうこう言っているわけではなく、少なくとも東電という企業からは「それ、本当に必要だったんですか?(エ〜シ〜♪)」とみなされているというだけでも、精神的に耐え難いものがあるように察せられるのです。ゆえに、戦いはまだまだこれからなのだろうと。

そんな皆さんに対して自分はどうあるべきか、どう支えるべきか・・戦い方なんて忘れちまった、ウソ、というかそもそもちゃんと戦ったことがないのです。小国地区の住民運動はお手伝いさせていただたいたものの、基本的には隊列から数歩脇にずれて観察者視点で臨んでいたように思いますし、数十センチのコンクリでないて遮れないような無敵の放射線相手に戦え!なんて無謀な精神論に傾倒したこともありません。福島を外から見つめることに加えて、福島の外で福島続行中の人たちについても思いを致すということ、これからの自分には"二刀流"というスキルが求められそうです。

どんまい、テクノエーピー [地震と原発]

昨日の夕方、こんなメールが入っていた。

TC100シリーズについて、重要なお知らせがありご連絡させて
いただきました。

 不具合改修のお知らせ

この度、弊社製品「TC100」および「TC100S」にて、
電池残量表示が減らずに電源が切れる不具合があることが
判明致しました。

お客様並びにご関係の皆様には大変ご迷惑をおかけいたしました
こと、深くお詫び申し上げます。

誠にお手数ではございますが、下記送付先まで料金着払いにて
お送りいただきますようお願い申し上げます。

改修後、早急に返送させていただきます。

・・自分は購入後一度だけバッテリー切らしたことがあったのだが、「電源入れたまま放置しちゃったかなぁ」とそのときは意にも介さなかったのだけれども、そうか、そーいう不具合があったのか。言われてみれば確かに充電後一度もバッテリーの目盛りが減ったところを見たことがないなぁ、やっぱりこれも送り返さなくちゃダメなぁなどと思っていたら本日、他の不具合を発見。

パワーボタンを押しても電源が切れなくなった。ボタンが凹んだきりになってしまったとか、そーいう物理的事象ではなさげ。テクノエーピー社に連絡して返送時に一緒にその不具合も対応してもらうようお願いしたあと、しばらくして線量計を見たら(バッテリーが切れたのか分からないが)電源が落ちていた。まさかすっごい時間差でボタン押下の効果が働いたわけじゃあるまいwとにかくもう弄くり回さずにそのまま返送することとした。

出鼻をくじかれた感もあるけれど、今のところの使用感はそんなに悪くない(放射線検出数の確認が出来ると良いのになぁということと、秋田の低線量域だと堀場より表示値が高め&ふらつきが多めなのが気になる)ので早く修理を経て戻って来て欲しい。エアカウンター一個だけではどうしようもないことだし・・(MKS-05は福島の現地で頑張っている)

わたしがはじめてみた仮設の風景 [地震と原発]

先日文字通りのお邪魔でしかなかったのですが、福島市松川の飯舘村仮設住宅にちょっとだけお邪魔させていただく機会がありました。福井県のNPO「田舎のヒロインわくわくネットワーク」のかたたちなどが、支援物資やたんすの奥で忘れ去られていたような着物をどっさり持って仮設住宅を訪れたのに、縁あってちゃっかり帯同させていただいた次第なのです。

私は最初介在者がいない中、松川駅前でくだんのグループの皆さんと今日はいったい何のイベントなのかも分からずに所在無く一緒におって、あとから聞かされてはじめてその一団にテレビのコメンテータなどとしてお見かけする吉永みち子さんがいることに気付き、「あーそう言われれば!(何かみたことあるぜこのヒト・・)」といたく驚かされたりするなど、個人的にはややミステリーツアーの趣きのある展開だったのですが、聞けばみなさんが運んできた着物は、仮設のお母さんたちでリメークして売って自活する!というような非常に前向きな展開をもたらす支援物資であったそうで、最低限の生活をギリギリつなぐためのものではなく、生活により生彩を与えるようなものであるということを知るとともに、さっそく着物に袖を通しておどけている入所者のみなさんの和やかな様子を眺めていると、とても前向きな気持ちになれたりもしたのですけれど、やっぱりそれはどこまでいっても一面だけしか見ていないというか、表層的な受け取り方でしかなく、自分には仮設住宅生活を巡る問題や不安というものは見えていないという思いが拭えなかったのでした。

例えば飯舘村のような賃貸集合住宅環境の少ない場所では恐らくみなさんは一軒家にお住まいのことでしょう。現存するありとあらゆる世代が住まう何部屋もあるような豪壮な旧家もあったりするのでしょうし、そこから仮設住宅への移転となれば窮屈でしかたがないのかなぁと。自分は3.11までずっとアパート暮らしだったのでその辺がどうにもピンと来ないわけです。また静けさや自然の豊穣さと引き換えに都市生活の利便性という恩恵を受けるかといったらそうでもなく、仮設を建てるようなスペースは当然市街地にはそうそう遊んでいないわけですから、えてして不便で辺鄙なところに置かざるを得なくって、その日も仮設に向かう途中、飯舘村の名の記された緑のバスが、村民のかたを乗せて仮設から遠く離れた郵便局などを巡行しているのを見かけたのでした。

そんな仮設入居者の心情に寄り添うことの出来ない自分ですが、一つだけいかにも私らしい関心分野を通して、懸念や問題として見えてきそうなものを発見したのですが、それは何かというと放射線のこと。伺った福島市の松川という地は、市内でも比較的線量の低い部類であり、県が仮設で測って残していった測定値を見たところそれは0.15から0.25ぐらいで周辺環境よりも更に低い数値であったわけなのですが、それもそのはず仮設住宅というものは県北地方に放射性物質がザンブリ降りた3.15以降に人の手によって作られた人工的環境なわけでして、前出の県測定値の地上高1mと1cmとで数値が変わらないという辺りも人工環境ならでは、と思うのですが、一つ目の懸念というのは、低汚染ないし未汚染の資材をもって構築しているからこそそのように低いわけであって、これがもし汚染度の高いところの土や建材などを持ち込んで作ったならば、一転してそこに高線量地点が現出することだってあるよなぁと。

実際、松川のその仮設においても敷地内中央部で計測すれば県測定と同様低い数値がでるわけですが、敷地境界や(何を作るのかわからなかったのですが)敷地内でもっか工事をしているところの付近で測ると、松川の水準よりもそれなりに高い数値が出ているようなのでありました。もう一つ気になったのは集会施設の屋内で計測器をつけたまんまにしていたときのその数値が、屋外のそれよりも高いように観測されたこと。屋内に線源が滞留している可能性も否定できないのですが、自分がその原因として思ったのは、(前言を翻すようであれなのですが)放射性物質到来以降に作られたからこそ高いということもあるのではないかと。

というのも既にして在った家々については既に建っていたがゆえに床下に線源は基本存在しないと思うのですが、新しく建てられたものについてはこの道理が通用しないのでは?と。ちゃんと綺麗な土を盛ったり入れ替えたりしたうえで建設されているのならいいのですが、そのまま上に建てられてしまえば放射性物質が温存状態になり、それはすなわち既存の家よりも線源が一面多い状態といえるわけでして、例えば今までよく世に言われているような「屋内は二階の方が高い」というようなセオリーでは語れない、特異な住環境としてみなす必要があったりするのではないか、などと考えた次第です。

といっても自分の地元の方が遥かに線量は高かったりするので、そこまで大騒ぎするべきことなのかは判断に迷うところですし、仮設住宅に住まう人々にとっての懸念事項というものはそれ(放射能)に先んじて取り沙汰すべきことが沢山あるだろうとも思うのですが、自分が仮設にお邪魔している間にもスクールバスがやって来て小中学生の子どもたちを降ろしていったりするのをお見かけしたりすると、そのままにも出来ないよなぁと悩ましくも思えたり・・

今回はほんの短時間の訪問だったのでかように漠然とした記述しかできないのがもどかしいのですが、もし次回というものが許されるのならば、もっともっと詳しく調べてみて、少なくとも自分自身のモヤモヤだけでも解消させたいところです。

エアカウンター&TC100低線量域における計測試験1 [地震と原発]

 エアカウンター&TC100低線量域計測試験_01.jpg

あぁもう計測エントリーのナンバリング訳分からなくなってきたのでイチから振り直しw引き続き比較的放射能汚染的には大丈夫と思われる秋田県大仙市内での計測試験。先日エアカウンターについてこの線量レベルだとまともな数字が出せないのではないか?という感想を持ったと書いたのであるが、この3日間計測した感じだとそこまでめちゃくちゃな数値でもないようだ。やはりあの0.1オーバーを連発したのは雨のせいなのだろうか。上の表では0.05μSv/h未満を仮に0.04μSv/hとして置いて平均等計算するという掟破りなことをしているが(さすがに1時間つきっきりで黒丸数えたりはできんかった・・)、とにかく何回も測って正確にしろおおよそにしろ平均をとるようにして使えば、この秋田では一切0.1以下を示さないウチのMKS-05(=ガイガーカウンター)よりはマシだと言えるのではないだろうか。値段も1/10だしあんまり高望みも酷だろう。

TC100について言えば、同じシンチレーション式の堀場PA-1000での過去の秋田県内計測体験をどうしても引き合いに出してしか考えられないのだが、堀場よりかはほんの若干であるが高めの数値を出すような気がする。瞬間的にはドキリとするような数値を指し示したりもするので、福島県北での校正計測の好結果に満足したまんまではおらないで、早々に秋田県内の県測定ポイントにおいても校正計測に臨みたいと考えている。んでも場所が雄勝と秋田市なんだよなぁ。大仙市からだとそれなりの遠出になってしまうので、それでいまだ実行できないでいるという。

ちなみにTC100については徐々に秋田県各地での計測に着手しているが、まだこの機械の信憑性が自分的にも掴めていなくて自信がないので発表できず。そんな状態なのに今日、秋田県内避難者の集った芋煮会の福島県来避難者セクション(うつくしま県人会ですな)において、嫁に促されるままに「皆さんのお近くの放射線量測ります」とか言ってしまった・・思った以上に周りのリアクションが芳しくって、言った本人が後から後悔するというパターンにw

しかし今日の芋煮会においては参加者のどなたかの機転から「福島からの避難者でも中通りと浜通りとで席をまとめてみましょう」ということになったらば、中通りからの避難者・・すなわち自主避難のかた・・の数が自分が思っていたよりかなり多いことが分かってびっくりした。彼ら(というか彼女らというのがおおかた正しいのであるが)は行政命令を受けて望むと望まざるとにかかわらず逃げさせられてきたわけでなく、放射能汚染に見舞われた自分の住まうエリアの状況に対して自らの判断と決断を下したうえでこの秋田にいらっしゃったかたたちなのであり、つまりは放射線量の高低や放射性物質の有無そのものを問題視・重要視していらっしゃるかたたちなので、ほぼ原発事故とは無縁といった情勢のこの秋田県における、一般的にはあんまり意義がないと思えるような自分の計測プランについても、いたく関心を示されてくれたのであろう。これだけ低線量域だと本来であれば県使用機相当の高精度・高感度の線量計が必要だとは思うのだが、これまでの経験で培われた「正しく測る」術と知識を以って、なんとかみなさんのお役に立ちたいと思う。


Techno-AP TC100校正計測1回目 [地震と原発]

Techno-AP TC100校正計測1回目
(10/27福島県北保健福祉事務所、伊達市小国ふれあいセンターにて実施分)

1027TC100校正試験.JPG

二地点ともTC100の計測値は行政測定値とズレが少なく、なかなか期待が持てそうです、が!前回校正計測時に求めた校正倍率からいってポリマスターの安定感は高感度ゆえかすばらしく(他の機種は前回と今回とで校正倍率が結構違っている)、そこで敢えて県測定値でなくポリマスター数値をモノサシとして考えてみるならば、同じ県測定であっても保健所とふれあいセンターでは数値にズレがある、すなわち県がふれあいセンターで用いている計測器の方が、県が保健所で用いているそれよりも若干高めに数値を出しているように思えるわけなのですが、それが真であるとした場合、TC100の計測値がちゃんとそのことを反映した結果を出しているかというとそうではないので(ポリマのように求められる校正倍率がふれあいセンター>保健所となっていない)、もっと場数を踏んでみないといけないと思っています(さっきまでの話も仮定の上に仮定を重ねているのでそこの信憑性も突き詰めて確かめていく必要がありましょう)。

同じ場所で校正計測を重ねるのはもとより、異なる線量水準でも校正計測を行いたいと思っていて、そこで目をつけているのが一日2回午前と午後とに計測をしている「県北地方環境放射能測定結果」、ふくしま自治研修センター(約0.3)、果樹研究センター(約0.6)、福島市役所(約1.2)、相よし公民館(約2.1)、この辺を狙っているのですが、問題は計測の現場を押さえないと正しい計測ポイントが分からないということ。だいたいやって来そうな時間に当たりをつけといて、パンかじりながら車内で張り込みするしかありませんwちなみに聞けばこの県北地方の計測、委託業者の2人1組の2チームが分担して県北各地点を測りに回っている(つまり2台の計測器が投入されている)ということなのですが、公表試料の計測日時を見てどう組み立てても、2チームで回りきれてるようには思えないのですが真実はいかに(県担当者曰く、役場に置いてある計測器などは使っていなくって委託の2チームで全地点カバーしているということなのですが)。


エアカウンター計測試験4 [地震と原発]

これはあんまりよろしくないデータw途中で「バラツキみるなら5回じゃなくて10回は計測するべきだったか」と気づいたが、だいぶ作業を進めてしまったあとだったのでこれでご勘弁を・・しかも参考として一緒に測ったポリマスターの数値もモノサシとするにはだいぶ怪しい測定結果がwエアカウンターの1回目計測中はポリマの方は放置して、すなわちポリマはその場に5分おいてから計測スタートさせてはいたものの、一部の線量水準でやたらとばらついてしまっているのは、もしかすると雨か湿度のせいかもしれない

エアカウンター計測ばらつきテスト
1023エアカウンター試験4.JPG


それから前エントリー(http://2011yomemucyu.blog.so-net.ne.jp/2011-10-26)で出てきた、秋田県大仙市内の計測地点1の方においては同一状況かつ別の日に、連続20回エアカウンターの計測データをとってみたのだが、結果は以下のとおり。行政測定値やシンチ式計測器(PA-1000、PM1703MO-1、TC100)の数値がある程度真なる値に近いとするならば、エアカウンターは「0.05μSv/h未満~0.05μSv/h」あたりを出すのが正解(に近い)といえるわけなのだが、見てのとおりかなーり上ぶれした数字も出ている。屋内計測なので、電磁波の影響を問われると「あるいはもしかすると・・」という気もしてくるのだが、とにかく秋田ぐらいのほぼ事故前に近い状態の線量環境で、まともな数字が出ない・出せないというのはそれなりに重要かつ問題になることではないかと思うし、自分がこれまで秋田に持ち込んだ計測器ではまず出ないような数値を平気で「測定完了」と称して出してくるもんだから、これは気になるし気に障る。引き続き計測数を重ねて様子を見てみたい。

エアカウンター連続20回計測試験
(於秋田県大仙市木造家屋1階屋内、10/25PM7時ごろから計測、天候雨、計測間隔約5分、以下単位μSv/h)

0.06   
0.05未満
0.07   
0.06   
0.11   
0.12   
0.12   
0.05   
0.06   
0.12   
0.09   
0.10   
0.12   
0.05未満
0.07   
0.05未満
0.06   
0.12   
0.06   
0.05未満


ときにこの計測中、暇に飽かせて放射線検出回数(画面左上に黒丸が表示される)を数えてみたりもしたのだが、5回程度では「0.05未満」になり、15回程度で「0.1μSv/h」に達するような感じだった(うろ覚えでスマソ)。あとになってちゃんとデータとしてとればよかった・・と悔やんでいたら、線源を用意してきっちり観察をなさったかたがいらっしゃったのでそのリンクを紹介させていただく。

エアカウンターのガンマ線感度?@【武蔵境】東京都武蔵野市境4丁目の空間放射線量(参考値)
http://sakai4.blogspot.com/2011/10/blog-post_26.html

かなり早期にエアカウンターを入手なさったようで、自分も購入前に一度拝見させていただいたことがあったのだが、「計測1回目に高い数値が出る」という件、さっきまで「んなことないよなぁ」と思っていたけれど、自分のとった全データ(たいした量ではないが)を振り返って眺めてみると、確かにその”ケ”がなくもないかもしれない。しかし(メーカーもその必要性を認めているらしい)「暖機運転」に「数値の棄却」ねぇ・・安モンを工夫して使うことによって有効化する、という風にみなせば、確かにそのような涙ぐましいケアは必要なのかも、とも思えなくもないが、これだけデザインといい使用感といい計測スタイルまでガイド(強制)されている仕様といい、イージーさを前面に打ち出した製品なのだから、それだったらもたらされる数値結果もなるべくそのまま使えて欲しい、と思ってしまうのは自分だけなのだろうか。


テクノエーピーTC100ゲットォオオ!! [地震と原発]

2011102616500000.jpg

ミニスペクトルメーターTA100を製作したテクノエーピー社によるCsI(TI)シンチレーションカウンターTC100、本日到着しました(カタログはこちら→http://www.techno-ap.com/img/TC100.pdf)。

これと同金額帯のシンチ式となると、堀場PA-1000やクリアパルスA2700、RAEシステムGammaRAEⅡRあたりが競合するわけですが、「エネルギー補償機能」、「レンジ0.001~50μSv/h」、「国内メーカー」、同機はこれらを兼ね備えているという部分に惹かれて購入してみることとした次第です(更に挙げれば積算線量機能もあるしアラート機能もあるという)。スペクトル表示できる上位機種TC100Sもありましたが、まぁそこまでの機能は要らないかなぁということでこれに。自分にとっては通算4台目、現在所有台数としては3台目となる放射線計測器であり、手放した堀場PA-1000に代わる”マイ基準機”としての働きを大いに期待しております。ち・な・み・に。同社のTA100はお借りしてその使用感は多少は分かっており、ゆえに昼日中には非常に見え辛くなるあの有機ELディスプレイ仕様については了解しており、敢えて覚悟の上でのセレクトですw

さて早速こちら秋田県大仙市内の嫁の実家とアパートの「屋内」で試し計測してみました。というのも最近の秋田、連日冷たい雨がそぼ降っており、降雨時の計測って数値の精度にどんな影響を与えるか、いまいち分かっていないので、それで屋外は控えたというわけです。自然核種が雨によって降下してきて線量が微妙に上昇する、という話は聞いたことがあるのですが、そもそも高温や多湿はよろしくないと、大抵マニュアルに記載されていますからねぇ。TC100計測試験1_01.jpg
屋内にて0.04μSv/h前半台、ということで、計測地点1については以前に堀場PA-1000でも計測したことがあるのですが、そのときのラディも今回と同じくらいの数値を示しておりましたので、まぁ大丈夫そうかなぁと。TC100ではまだ未計測ですが、恐らくこちら秋田県大仙市では屋外で測ってもこれとさして変わらない数値が出ると思われます。今の福島みたいに、外に出ると線量が二倍くらいになるとか、そーいうのがないんです。それがほぼ平常状態に近い低汚染(無汚染といっても差し支えないかもしれないが)地域のありさまの一面だと思います(他には計測高によって線量が上げ下げしないとか、雨樋みたいなところで測っても線量が変わらないとか・・)。さぁーて、明日から福島に戻りますので、更に計測試験を進めていく所存です。


エステーエアカウンター計測試験3 [地震と原発]

前々エントリー(http://2011yomemucyu.blog.so-net.ne.jp/2011-10-20)の最後で申し述べていた、「どのくらいの線量から測定時間に5分間を要しなくなるのか?」について調べたのが以下のデータ。すっげ粗くて申し訳ないのですが、自分のウチの敷地内で、場所や測定高をあれやこれ調整しつつ、10個測定サンプルを用意して散布図としました。

1022エアカウンター試験3.JPG

なお、各計測値は数回測っての平均値でなく、たった1回のみの素のままの数字といたしました。なにせ9μSv/hの状況で5回も測って(所要十数分)も居続けるというのはあんまりいい気はしないもので・・前エントリー(http://2011yomemucyu.blog.so-net.ne.jp/2011-10-21)で同じ場所・同じ条件で5回測ったところ、その所要時間はほぼ毎回同じであったものですから、たぶん線量が同程度なら計測完了までにかかる時間も同程度に収まるであろう、という見立てのもとそうさせていただいております。

さて本題。(エアカウンターが表示するところの)3.5μSv/h以下では計測にきっかり5分要しているものの、その先の4.52μSv/h計測時には4分33秒まで短縮されており、この二つの数値(3.5~4.5)の間に計測完了までに5分間を要しなくなる境界線が存在するものと思われます。たぶん、4μSv/hあたりですかねぇ?そして更に高線量水準での計測時間を眺めていきますと、9.03μSv/hでも3分13秒を要しており、このぶんで行くと9.99μSv/hでも3分はかかりそうな感じなので、このエアカウンター、最長で5分、最短でも3分の計測時間が求められるのではいのかなぁと思います

もう一個。参考映像ですが、前エントリーの県北保健所での校正計測の際の、エアカウンターの計測開始から完了までの挙動を映したものです。手元に加工・編集環境が無く、素のままのアップロードで大変見苦しくすみません。風ノイズも聴くに耐えん・・ 


エステーエアカウンター計測試験2 [地震と原発]

引き続きエアカウンターを試してみます。本日は福島市内にある福島県北保健事務所の毎時計測地点で校正計測を試みてみました。ここは以前は東側の砂利敷駐車場において計測が行われていたのですが、ある日を境に北側のアスファルト敷駐車場に場所変更となっております(今日計測されていた県職員のかたの話では、「あすこは借りてる土地で、福島市に『どけて』と言われたから」ということですが・・)。測定場所は容易に分かる状況となっていて、駐車場の中心部辺りにコーンで囲われたスペースがあり、地面に「とまれ」のマークがついているポイントでその足型マークに沿って(東向きになるわけですが)計測を実施しておりました。ちょうど正午の計測の現場を眺めることができて、県測定(平均)値は0.92μSv/hと出ました。さてエアカウンターはどうか。

1021エアカウンター試験2-1.JPG

エアカウンターは5回測定平均値0.83μSv/hで、県測定値への校正係数1.11となりました。昨日(http://2011yomemucyu.blog.so-net.ne.jp/2011-10-20)求めた校正係数が1.18なので結構いい感じのような気がするものの、他機の校正係数が伊達市内県計測地点で求めたそれとガラリと変わってしまっているので、依然として信じていいものかどうかはなはだ怪しいです(同じ県事業であっても、伊達市内と保健所で計測に用いられている機械は別物であり、その二つのサーベイメータの校正が揃っていない可能性があるということでしょうか)。

もう一つデータを採ってみました。エアカウンターの説明書によれば、「測定開始から測定完了までは大きな誤差が含まれます。特に測定開始直後やガンマ線を検出した直後の数値は高めに表示されますが、測定時間が経過するに従い、平均化されていきます。測定中は動かさないようにしてください」とあり、実際の値動きがそのようになっているかどうかの検証です。

1021エアカウンター試験2-2.JPG

1秒ごとの数字を拾うのはきつかったのでw(アナログ人間ですみません)、10秒ごとの数値を拾ってその推移をグラフに落としました。ぱっと眺めた限り、確かに説明書のとおりなのかな・・?そいえば「測定中動かすな」と書いてありますけど、移動しながら測定するとどうなるんでしょう。時間経過に伴い平均化されていく、ということは、測定時間の後半の検出値は確定値に与える影響が少ないということなのかな。計算方法についてエステーに聞けばいいんでしょうけど(少しググればどなたか既に究明していらっしゃるかもしれませんが)。

ちなみに説明書によりますと「急激な線量変化に対応するために2秒間の移動平均をバッググラウンドで計算し、測定値前後で20倍以上の線量を検出した場合はすぐに再測定を開始します」ということですので、何が何でも5分間で足切りしてしまって確定値を求める、ということではないようです。測定環境が変わったと判断すれば一からやり直す、と。まだまだ正体が見えないので、しばらくの間本ブログではこれ(エアカウンター)の実験ターンが続きますです。


エステーエアカウンター飛翔入手!(うそ) [地震と原発]

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今日出荷日なのでフラゲとはいえませんけれども、自分の中ではこんなに早く手に入るとは思ってなかったので、そう言わせてくださいwしっかし、カインズホームか・・電話問い合わせしてなかったわ、盲点だった。ダイユーエイトでの発売予定日がかなり遅いと聞いていたので、地元ホムセンでもそうなら他県企業ならもっと遅いだろう、という勝手な解釈が仇成したという感じです(だからコメリとかにも問い合わせしてなかった)。それにしても小国のおかあさんにこのネタ振っといて大正解でした!おかげでそのかたからカインズホーム販売情報を教えていただき、このようにして手に入れることができているわけでして。

さて実物ですが、男心をくすぐるようなメカメカしさは微塵もなく、さながらかつて流行りのたまごっち(今もリバイバってるのかもしれませんが)のような愛らしいルックスで、さして重くもなく大きくもなく、世のお母さんがターゲットであろうことは明々白々でありましょう。それにしても「首都大学東京の福士政広教授監修」という文字が同梱の小冊子のみならずパッケージ前面にも記されているのは一体何事なのでしょう?有名人?それで”名前売れ”するのだろうか。よく分からない。

んでさっそくですが、最寄りの福島県計測地点に行って、県測定値(というかアロカのシンチレーションサーベイメータの値)とどれくらいギャップがあるか、校正計測してみることとしました。ためしに現在お借りしている他の計測器ももろもろ持っていって。

2011102012590000.jpg
ここです。 目印が無かったので今まで「どこで計測してんだろう?」と定めあぐねておりましたが、本日とうとう確認。アスファルトの継ぎ目が南に向かって逆T字を成しているところです。

場所は伊達市霊山町上小国地区にある「伊達市小国ふれあいセンター」の駐車場。県はここで午前11時頃と午後1時頃の1日2回、アロカ社サーベイメータTCS-172を用いて定点計測を行っています。午後1時ごろに計測しているところをキャッチして、計測地点の確認と、測定平均値を聞き出したところ、今日の午後のそれは「1.86」とのこと(もしかすると公表値はこれと少し変わっているかもしれませんが)。これに対してエアカウンターはいかなる数値を示すか・・というのを調べた結果が以下の表。

無題.JPG

 

エアカウンター、5回計測平均値が1.572μSv/hで、県測定値1.86μSv/hに対する校正係数1.18となりました。今回試した機器の中では「低めに数値を出す」部類といえそうです。行政測定値からの乖離度としては、他の機器と大して変わらないので値段が安い分だけパフォーマンス高いようにも見えますが、どれくらい測定値がバラツクかなどはたった一回の校正計測では分からないので、評価保留すべきでしょう。

ただ一点気になったのは、説明書などによれば「線量によっては測定完了までに”最長”約5分かかる」となっているわけなのですが、私はこれを自然放射線レベルに近いような低線量域(例えば0.1以下とか)ならそうなんだろう、などと思っていたのですけれど、この小国ふれあいセンターのような2μSv/h近い水準の線量環境においてさえも、5回の計測とも測定完了までキッチリ5分間を要した、というのは非常に気掛かりなことでした。だって超高線量エリアについては避難等指示が敷かれている(=住んでる人がいない)現状において、1.86マイクロ毎時というのは人が容易に測れる状況下ではけっこう高い線量レベルだと思うんです。そこで5分もかけないと測定完了できない、しかも更に精度を高めるためには何回か測って平均採れ、ってマニュアルにも書いてあるんですけど5回やったら25分間、それってどうなの?!っていう。

まぁ「値段が安いのでその辺はしょうがない」、と受け止める手もあるんですけれど、引き続き機器の精度を確かめるために校正計測を行う一方で、じゃあ一体どれくらいの線量ならば5分かけないで測定を完了させられるのか、それも調べたくなってきました。願わくば、5とか6みたいな避難指示基準超の線量ではとっとと測定完了できるような仕様になっていて欲しいところですねぇ。


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