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MKS-05とPA-1000の計測値比較についての考察 [原発データ]

MKS-05とPA-1000の計測値比較試験(行政等公表値との差異)
http://2011yomemucyu.blog.so-net.ne.jp/2011-06-24

の試験データをグラフ図化したものを元に、以下考察というか感想を述べてみる。
MKS-05とPA-1000の計測値比較.jpg.jpg

上の方の「行政等計測地点での計測数値比較」図を見るとおり、行政等計測地点に赴いて極力似通った条件においてMKS-05とPA-1000で計測したとき、PA-1000は総じて行政等計測値より高めの数値を出し、MKS-05は行政等計測値より低めの数値を出し、どちらかというとMKS-05の方が行政等計測値に近い数値に落ち着く。ただしMKS-05の場合、超低線量域(0.1μSv/h以下)の数字は恐らく機器バイアスの顕在化によって全くアテにならないと思われるので、鉛ブロック等で完全遮蔽するなどして、この機器固有のBG値を求めておく必要があると考える。(たぶん0.05μSv/hくらい上乗せされていると想像されるが)

次に、線量が高くなるにつれPA-1000の計測値と行政等計測値との乖離が大きくなっていくわけだが、これはさほど悪い傾向ではなく、すなわちPA-1000においては線量の高低に係わらず、その計測値を行政等計測値に換算するために用いる「校正倍率」を安定して適用できることの表れであり、下の方の「各線量帯における校正倍率」図のとおり、各線量水準で校正倍率を求めたとき、MKS-05よりもPA-1000の方がばらつきが少なく安定的である。

ちなみに先日のガイガーカウンタプロジェクト福島地区校正計測会において、県北保健福祉事務所のモニタリングポイントで校正計測を行った結果、自分のPA-1000について導き出された暫定校正倍率は、「0.79」であったが、自分が複数モニタリングポイントで比較計測を行ったうち、信用できそうなデータのみを抜き出して求めた校正倍率は「0.8031」であり、以前に作った小国小学校周辺線量マップもこの校正倍率を使ってちゃっかり数字を一新していたりするw

より大きな地図で 伊達市立小国小学校周辺線量マップ(0602-0611計測分) を表示

いっぽうMKS-05の方の校正倍率であるが、前出GCP校正計測会において算出された暫定校正倍率は「1.16」であり、PA-1000と同様に信用できる自前の比較計測データからそれを求めると「1.1227」であるのだが、MKS-05の場合やはり感度の低さゆえか行政等計測値に対して計測値(及び校正倍率)がバラツクのが少々気にかかり、安定した数値結果が得られるよう計測方法を改めた方が良いのか(GCPの場合最低5分以上1分間隔で抽出した計測値の平均を採る)、それとも校正計算をかけなくても(PA-1000対比でいえば)ほぼ行政等計測値に近い数値が出ているのだから、あんまり気にせずそのまま使っていくか、その辺を検討したいところである。(ただ正直5分も突っ立ったまま測りたくはない・・)

抜けている線量帯での比較計測を行って(とりわけ2μSv/h以上の高線量域での比較計測を進めていきたい)、PA-1000における校正倍率というものがある程度確定できるようであれば、カッチリとした定点計測においてはPA-1000を用いてその都度校正倍率で補正することとし、MKS-05はとある地点やエリアでの行政等計測値に近い数字をザックリと確認するものとして使っていきたいなぁと考えているのであるが、そう上手くいくかどうかは今のところ分からない。マナズラソイのオーナーさんの言に従って、この二台を売っ払って、エネルギー補償機能付きのシンチレーターを購入する方が早いのかもしれないが、今の所持機に対して愛着や慣れが生じてきており悩ましい・・

クリアパルス Mr.Gamma A2700型
http://www.clearpulse.co.jp/catalogue/jpn/A2700_a.pdf

ThermoScientific RadEye PRD
http://www.thermoscientific.com/ecomm/servlet/productsdetail?productId=12811385&groupType=PRODUCT&searchType=0&storeId=11152

エネ補償付きシンチならば、この辺がいいなぁと思ってるんですがね・・いや三台も買わないですけどw
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s

よくわかんない
by s (2011-07-20 08:48) 

hal

>>Sさま

このネタ書くと自動的に同じコメントが返ってくるのかと思ってしまいましたwすみません、わかりづらくて。要するに福島県北の線量環境だと、MKS-05のがPA-1000より正確である、ということだけ押さえとけばいいかと。PA-1000は自治体御用達機器でありますが、1.2~1.3倍くらいは正しい数値より多目に出易いので、これで測ったものを見て「うぉ、3μSv/hを超えている、いよいよウチも特定避難勧奨地点だ!!」と考えるのは早計であろうと思います。

ただ0.1μSv/h近辺の低線量水準では全く逆です。MKS-05は機械自体が恐らく0.05μSv/hくらいの放射線量を発していて、計測する数値には常々この分が上乗せされています。だから東京あたりでこの機械で以て測って、例えば0.15μSv/h以上が出たとして「東京はこんなにも汚染されている!!」と世界が終わったかのようにしてあまりに大騒ぎするのはナンセンスだということです。(0.05差し引いて0.1μSv/hでも平時よりは高いのは確かですが)

GCPのような活動に末席ながら参加させていただている以上、こうした「正しく測る」ことの啓蒙と「正しく測らないでみだりに騒ぐこと」への指摘を、私は口すっぱくしていかざるを得ません。またみんなが5万とか10万とか大枚はたいてようやく手にしたガイガーカウンターを、「正しい数字が出ないんだから無駄な買い物でしたね」とバッサリ切り捨てたくもないので、例え安物ガイガーでも、なるべく正しい数字が出せる使い方というものを知らしめて有効活用していこうということもまたGCPの活動精神であります。
by hal (2011-07-20 09:42) 

さくら

はじめまして
MKS-05を購入して、その数値に一喜一憂する生活をしていますが、果たしてこの数値は正しいのかな・・と不安に思って検索し、こちらにたどりつきました。
室内線量が、屋外線量とほぼ変わらず、0.11~0.15μSV/hを表示しています。
なぜか、湿度や気温に微妙に反応している気がします。
涼しくカラッとしている日は比較的低めに出て、暑く湿度の高い日には高めに出る傾向です。
気のせいでしょうか?
どちらにしても、0.05μSV程度の上がり下がりで神経質になっている方が損ですね・・・。
神経質になっている時は、雨どいを全部交換しようかとか、コンクリートの外壁にリフォームしようかとか・・2年くらいコンクリートのマンションに引っ越そうかとか・・本気で考えていました(汗)病的ですよね。
子供に、「それ(線量計)買わない方が良かったね・・・」と言われました(苦笑)

学校や保育園は、ほぼPA1000で計測しています。それよりちょっと低めと思うと嬉しいです。
私がPA1000と同じ場所で比較した時は
校庭 地表から50CM 
    PA1000 0.15
    MKS-05 0.17  でした。

中国製のBS2000(?)を知人から借りて比較すると、かなり差がありました。

屋外 アスファルト・芝
    BS2000 0.2~0.4
    MKS-05 0.15~0.2  

屋内 BS2000 0.07~0.12
    MKS-05 0.10~0.15

BS2000の方は X線 γ線 感知のようですが、γ線のみのmKS-05とは差が出るのでしょうか?






by さくら (2011-08-03 10:58) 

hal

>>さくらさま

コメントありがとうございます。まずは機器バイアスについてお話させていただきます。自分も所有機のそれを鉛ボックスで完全遮蔽して炙り出してみたことはないのですが、巷間で言われている感じだとMKS-05はだいたい0.05μSv/hくらいその分が上乗せになって表示されていると思われます。機器に使われている部品そのものから出ている放射線の影響を受けてのものなので、どこで測ろうがその分多く出るということです。

屋内と屋外で線量が変わらないというのはよい傾向のように思われます。私も秋田で測っていてこのことに気付き、さる先生に聞いてみたら自然放射線のありようから言うと大気中にラドンが含まれているので、屋内外で線量が変わらないということは大いにありうるだろうということでした。

以上の二つの事柄から考えるとさくらさまの環境は比較的平常時に近いのではないか?というのが私の感想です。計測器を持ったら余計に不安になったという現象は自分もそうでしたしw、きっと日本中の其処此処で「あるあるw」と頷いている人がいることだろうと思います。

天候の影響や風が吹くと・・というのも実感としては分かるのですが、実際放射性物質が浮遊して動いているからそうした数値変化が起きるのかは自分もよく分かっていません。測るものの方が増減しているのではなく、測る器械の感度の方が気温湿度によって左右されるのではないかと思うのですが。

PA-1000とMKS-05の比較においてその線量域でのその数値差というのは、私感では非常に納得のゆく数字に思われます。低線量域ではMKS-05の機器バイアス値の影響が無視できないものになってきて、それでPA-1000より高い数字が出やすくなっているのだと思います。PA-1000の数字ももしかするとホントに正しいγ線計測値よりちょっぴり高いかもしれないので、そこは気をつけて読むべきところだとは思いますが。

BS2000についてはその型式の計測器をネットで見つけられなかったのですが、MKS-05との差異はX線検知の有無の問題ではなく、感度の問題のように思うのですがどうでしょうか。例えばMKS-05とPA-1000を検知音を出しながら並べて比べると分かることなのですが、感度の低い計測器は放射線の検出回数が非常に少ないのです。PA-1000がピピピピと言っている間にMKS-05はピ、ピだけとか。同じだけ放射線が通過しているはずなのにもかかわらず、です。

μSv/hという単位は一時間当たりですけど、一時間に渡って測り続けるわけではなく実際に測る時間は数十秒と数分とかであるわけで、要するに一時間よりもっと短い時間内に検知した放射線量から計算して一時間当たりに換算しているわけです。

その短時間における検出感度が低いと一時間当たりに換算した数字も実状より大きくぶれて(ずれて)しまうわけでして、さくらさまの借りた中華ガイガーが屋外ではMKS-05より高く、屋内ではMKS-05より低いというのはそうした理由からなのではないかと思います。中華ガイガーの機器バイアス値の問題であれば、MKS-05の数値よりも常に低いか常に高い数値を出すはずですから。こうした感度の低さを補うにはとにかく長時間測り続けてその平均値を割り出すことが必要です。

ちなみにその数値の感じだと私が栃木県南部で測ったときにとても似ていますが、やはり雨樋や側溝などにかざすと高い数字が出ますでしょうか?0.5以上はカウントされるところがありそうな気がしますので、そうしたところだけピンポイントに気をつけたらいいのではないかと思います。

最後にこれは素人考えなので絶対的に参考にしては欲しくないのですが、仮に機器バイアスを差し引いてかつ自前の校正倍率を用いた場合、さくらさまの数値(たぶんこれは平均などをとったものではないと思うのですが)は以下のようになります。

自宅屋内外:0.07~0.12
校庭地上高50cm:0.14
中華ガイガー比較計測時屋外:0.12~0.17
同屋内:0.06~0.12

これは自然放射線量も含めての数値になりますことにご注意ください。バッググラウンドは0.04とか0.05くらいで考えていいのかなぁと。その差分が福島第一原発事故による影響なのかもしれないわけですね。こっから先が難しいんですよねwこの数値をどう解釈するかという・・でもこれくらいの線量だと東日本のかなりの部分が該当することになります。思いっきり北か西日本か日本海側まで行かないとこれ以下の状態は望めないと思いますねぇ。除染もそこまでは効果を上げません。地区ぐるみでやらないと自宅だけ綺麗にしてもお隣からの放射線の影響が出るわけで。
by hal (2011-08-03 11:57) 

さくら

早速詳しくてわかりやすい解説をいただきありがとうございました!
今じっくり3回読み直し、私のつたない文章からいろいろ察して下さり、ここまでわかりやすく解説して下さったことに感心してしまいました。ありがとうございます。

まず、中国の測定器はBS2010の間違いでした。すみませんでした。
居住地域はまさしくhal様の推定された場所から近い所です。すごい!
周りは見渡す限り田園の田舎です。
除染すると田んぼに水や洗剤が流れるので、このまま自然にまかせるつもりです。

雨どいからの排水口は、北側の土部分(雨水垂れ流しで苔が生えている場所)最高で1μSV/Hあったところもありました。
苔を抜いてスコップで土を取り除き、庭の隅に埋めました。それでもその場所は0.5近いですね。

南側雨どい排水口、アスファルト(やはり雨水垂れ流し)は最高0.6・・・。
あの警告音が怖くて長い時間は測定しませんでした。

よろしければアドバイスいただきたいのですが、MKS-05は、スリープモードがないですよね。
測るとき以外はOFFにしておいた方が良いのでしょうか?
いろいろすみません・・。


by さくら (2011-08-03 15:54) 

hal

>>さくらさま

再コメありがとうございます。栃木県南部で測ったのは友人のお宅においてであったのですが、やはり雨水管の吐き出し口の下が高くって、少し掘って土を取り除いてみたのですがさほどに線量が変わらず、自分も首を傾げるばかりでした。

今後福島のみならず全国でこうした個人レベルの除染作業というものが広がっていくと思うのですが、恐らくみんな空間線量というものは思ったより下がらないものだということに気付いて、少なからず問題の根深さに震撼するのではないかと思うのですが、ホントせめて排水周りの高いところだけでも放射能汚染を根治したいものですよね。どれくらいの広さに渡って除染すればいいのだろう・・

MKS-05についてですが確かに勝手に電源が切れない仕様だったと思います、というのもあれには積算線量を測る機能が付いているので、勝手に切れてしまってはかえってうまくないわけであります。というわけで積算を気にしないのであればどこか定点を測るときだけ電源オンという使い方でいいと思います。

積算だっていったんリセットして試しに数日間だけ肌身離さず持ち歩いてみて、それで一日の累積被曝量平均値を求めておけば、そこから年間積算量も見込みが出せるので、なにも連日電源つけっぱなし持ちっぱなしでなくてもいいような気がします。福島とかよっぽど危険な場所に行くならば常時起動かつアラーム設定しておいて、それこそ原発作業者みたいな使い方も出来ますけれど・・そもそもそーいうところには行かないのが一番いいと思いますw
by hal (2011-08-03 16:12) 

さくら

ありがとうございました。
電源が入っている間はそわそわと気になるのですから、OFFにしておいた方が精神衛生上
いいかもしれません。
本当に参考になりました。またコメントさせて下さい。ありがとうございました。
by さくら (2011-08-04 09:36) 

http://www.fotodigitaldiscount.de/hollistersde.asp

ハハ、MKS-05とPA-1000の計測値比較についての考察:2011年嫁に夢中の旅:So-netブログこの記事は過去にシンプルで簡単な外観も、非常に深遠な意味で書かれているが、それを味わうためにあなたが本当に深刻な場合は、それは多くの意味が含まれています。著者に感謝このような良い記事を提供していますので、私の心は再び洗礼をされて、あなたは私のことをもっと知りたい場合は、ここで確認できます:http://www.fotodigitaldiscount.de/hollistersde.asp or <a href="http://www.fotodigitaldiscount.de/hollistersde.asp">Hollister</a> or http://www.fotodigitaldiscount.de/hollistersde.asp and http://www.fieec.fr/hollisterx.aspx 私は私の意見が受け入れられることを願って。[url=http://www.fotodigitaldiscount.de/hollistersde.asp]Hollister[/url]
by http://www.fotodigitaldiscount.de/hollistersde.asp (2013-10-30 11:38) 

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