中間指針作成に向けて特定避難勧奨地点指定世帯への補償内容が見えてきた [地震と原発]
原子力損害賠償紛争審査会（第11回）資料1 中間指針の論点の整理（案）
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/016/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2011/07/19/1308665_1_1.pdf
＞本資料は、審査会における議論のために作成したものであり、指針の内容、損害の範囲に何ら予断を与えるものではない。
この点に留意しつつお読みください。しかし伊達市で行われた特定避難勧奨地点設定地区における説明会では、「指定されてもされなくても大して変わらない」という説明がなされてきたわけでありますが、このまま行くとやはり特定避難勧奨地点の指定があるか否かでは天と地ほどの待遇差が生まれそうな気がします。
まず対象区域として「特定避難勧奨地点及び一部の地方公共団体が住民に一時避難を要請した区域」の追加を検討していることが窺えます。特定避難勧奨地点は国のやることだから当然としても、自治体独自の避難要請も対象となるならば、市民を守ろうと自分たちで動き出すところも出てくるのではないかと思うのですが、そこは国としてみだりに行われぬよう頭を押さえつけるのかどうか・・
それからこれ「避難費用のうち「生活費の増加費用」については、原則として、「避難生活等を余儀なくされたことによる精神的損害の額」に加算し、その加算後の一定額をもって両者の損害額とするのが公平かつ合理的な算定方法と認められる。」も気になります。増加分だけであってもいわゆる”生活費”というものが特定避難勧奨地点からの避難者に対しても補償されるのか、加えてこれに合算加算されるとされている精神的損害額（例の10万だ12万だというやつ）の対象にさえも成り得るのか、非常に気になるところです。
「本件事故により当該財物の価値の全部又は一部が失われたと認められる場合には、現実に価値を喪失し又は減少した部分及びこれに伴う必要かつ合理的な範囲の追加的費用（当該財物の除染費用等）について賠償すべき損害と認められる。」については、除染しても線量下がりきらなかった（＝財物価値が完全に回復しなかった）らどうすんだろう？という気がします。ちなみに伊達市の場合市内全域の除染を掲げてその費用負担は東電に求める、としていますから、この部分の補償内容については、特定避難勧奨地点指定の有無で待遇差が生まれるということは無いように思います。
そして今朝の地元紙にも載っていましたが重要なのはこれ、「Ｂ．対象区域内に滞在している者に係る損害」によって、特定避難勧奨地点指定を受けながらも避難を希望しなかった世帯への一定程度以上の補償内容が用意される可能性があるということです。しかし・・避難したい人の避難費用や避難先での滞在費用だけを補償する、これならばみんなある程度了解できるでしょうけれど、例え残ったとしても指定を受けたというだけで厚遇が待っているとなると、残ったなかの指定された者と指定さらぬ者の間での争い諍いというか、ホントに地域社会に大きな溝が生まれることになるかもしれません・・
実際これ（第10回原子力損害賠償紛争審査会議事録（案） http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/016/attach/1308672.htm）を見てみますと、特定避難勧奨地点というのはある家が指定されて隣が指定されないというような状況によってむしろ避難勧奨を受けていないほうが不安が大きいなど社会問題となっているところがあるのだから、指定世帯への補償については慎重に考えるべきだ、という意見の委員のかたもいらっしゃるようでして、その一方で国が「あんまり長く居てはいけない」とお墨付きを下した以上は、これまでの避難区域と同様に取り扱う合理性がある、という意見も出されています。また、避難しなかった人についての対応は、特定避難勧奨地点のみならず、これまでの避難区域においていまだ避難をしていない人についても同様に検討課題であるとみなしているようです。
個人的に言えば小国地区が避難の必要が生じるほどそれなりに線量が高いのは間違いなく、かねてよりそれを自分は訴えてきたのであり、ゆえにこそそれ相応の補償はあって然るべきだと思いますが、みんな同じ境遇で生きながらも避難勧奨されたされないで格差が生じるのはやはり感心しません。指定を受けた人間ですらそう思うのですから、指定を受けていない人たちは余計そう思うでしょう、「ほとんど同じ環境だってのに何であいつらだけ！」って。
今でも地区内に温度差が生まれつつあるのかもなぁ、と感じているわけなのですが、いずれ中間指針などにおいて特定避難勧奨地点の補償内容がつまびらかになったとき、その亀裂というものはより決定的なものになるのかもしれません。それまでにどうにか小国地区住民の想いをのせた要望活動の方が成果を見ればいいのですがねぇ・・
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/016/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2011/07/19/1308665_1_1.pdf
＞本資料は、審査会における議論のために作成したものであり、指針の内容、損害の範囲に何ら予断を与えるものではない。
この点に留意しつつお読みください。しかし伊達市で行われた特定避難勧奨地点設定地区における説明会では、「指定されてもされなくても大して変わらない」という説明がなされてきたわけでありますが、このまま行くとやはり特定避難勧奨地点の指定があるか否かでは天と地ほどの待遇差が生まれそうな気がします。
まず対象区域として「特定避難勧奨地点及び一部の地方公共団体が住民に一時避難を要請した区域」の追加を検討していることが窺えます。特定避難勧奨地点は国のやることだから当然としても、自治体独自の避難要請も対象となるならば、市民を守ろうと自分たちで動き出すところも出てくるのではないかと思うのですが、そこは国としてみだりに行われぬよう頭を押さえつけるのかどうか・・
それからこれ「避難費用のうち「生活費の増加費用」については、原則として、「避難生活等を余儀なくされたことによる精神的損害の額」に加算し、その加算後の一定額をもって両者の損害額とするのが公平かつ合理的な算定方法と認められる。」も気になります。増加分だけであってもいわゆる”生活費”というものが特定避難勧奨地点からの避難者に対しても補償されるのか、加えてこれに合算加算されるとされている精神的損害額（例の10万だ12万だというやつ）の対象にさえも成り得るのか、非常に気になるところです。
「本件事故により当該財物の価値の全部又は一部が失われたと認められる場合には、現実に価値を喪失し又は減少した部分及びこれに伴う必要かつ合理的な範囲の追加的費用（当該財物の除染費用等）について賠償すべき損害と認められる。」については、除染しても線量下がりきらなかった（＝財物価値が完全に回復しなかった）らどうすんだろう？という気がします。ちなみに伊達市の場合市内全域の除染を掲げてその費用負担は東電に求める、としていますから、この部分の補償内容については、特定避難勧奨地点指定の有無で待遇差が生まれるということは無いように思います。
そして今朝の地元紙にも載っていましたが重要なのはこれ、「Ｂ．対象区域内に滞在している者に係る損害」によって、特定避難勧奨地点指定を受けながらも避難を希望しなかった世帯への一定程度以上の補償内容が用意される可能性があるということです。しかし・・避難したい人の避難費用や避難先での滞在費用だけを補償する、これならばみんなある程度了解できるでしょうけれど、例え残ったとしても指定を受けたというだけで厚遇が待っているとなると、残ったなかの指定された者と指定さらぬ者の間での争い諍いというか、ホントに地域社会に大きな溝が生まれることになるかもしれません・・
実際これ（第10回原子力損害賠償紛争審査会議事録（案） http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/016/attach/1308672.htm）を見てみますと、特定避難勧奨地点というのはある家が指定されて隣が指定されないというような状況によってむしろ避難勧奨を受けていないほうが不安が大きいなど社会問題となっているところがあるのだから、指定世帯への補償については慎重に考えるべきだ、という意見の委員のかたもいらっしゃるようでして、その一方で国が「あんまり長く居てはいけない」とお墨付きを下した以上は、これまでの避難区域と同様に取り扱う合理性がある、という意見も出されています。また、避難しなかった人についての対応は、特定避難勧奨地点のみならず、これまでの避難区域においていまだ避難をしていない人についても同様に検討課題であるとみなしているようです。
個人的に言えば小国地区が避難の必要が生じるほどそれなりに線量が高いのは間違いなく、かねてよりそれを自分は訴えてきたのであり、ゆえにこそそれ相応の補償はあって然るべきだと思いますが、みんな同じ境遇で生きながらも避難勧奨されたされないで格差が生じるのはやはり感心しません。指定を受けた人間ですらそう思うのですから、指定を受けていない人たちは余計そう思うでしょう、「ほとんど同じ環境だってのに何であいつらだけ！」って。
今でも地区内に温度差が生まれつつあるのかもなぁ、と感じているわけなのですが、いずれ中間指針などにおいて特定避難勧奨地点の補償内容がつまびらかになったとき、その亀裂というものはより決定的なものになるのかもしれません。それまでにどうにか小国地区住民の想いをのせた要望活動の方が成果を見ればいいのですがねぇ・・
2011-07-20 12:42
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コメント(6)
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カッコいい！興味をそそりますね(^m^)
by エアマックス 2012 (2013-07-26 12:16)
はじめまして。突然のコメント。失礼しました。
by エアマックス 2010 (2013-07-26 12:17)
お世話になります。とても良い記事ですね。
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