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トマト・ジェリーのはなし [娘]

昨日、新星堂において店頭で流れていた『トムとジェリー』のDVDに親子ともども見入ってしまう。みっともないくらい自分だけバカウケして、客の少ない店内に響き渡ろうかというぐらいゲラゲラと笑い声を上げていたのだが、気付けば小学生くらいのどこかの男の子の兄弟もまた同じく見入っている。小さい時夕方の再放送でこのアニメを散々観たことのある自分が、多少の懐かしさもあって思わず見入ってしまうというのは分かるけれど、こんにち最新鋭のアニメに慣れ親しんでいるようなこんな子供たちをも、恐らく初見だというのにかようにも惹き付けてしまうとはさすが不朽の名作なのだなぁと、感じ入るところ大であった。

だいたいそこで流されていたのは、ドルーピーが幕間に出てくるのとかトムとジェリーが仲良しであるような、比較的製作年の若いバージョンではなく、それこそ半世紀以上も前に作られたハンナ・バーベラ最初期の作品なのである。ゆえに惹き付けられた、ということも大いにあるかもしれないが。なにしろ初期のやつは言うなればバイオレンスもりもりである。パンチが利いているとか、そんな小洒落た言い方では言い尽くせないほど、壮絶であるとさえ言えるような一編もある。

だがそれだからこそ良いのである。ヘンに規制されていず、ひたすら暴力的だからこそひたすら笑えるのである。世間一般的にもやはり初期作品の評価がべらぼう高いらしいし、自分もそうだと思う。子供の教育にいいのかどうかは知らないが、そういったものが地上波で普通に観ることができるような大らかな時代(ホラー映画も普通にやってたなぁ、『スキャナーズ』の頭部爆破シーンも確か地上波で初遭遇したんだった)に少年期を過ごし、それを存分に楽しみながら大人になった今、もう一度それを当時とほとんど同じ心境で観られるということを、少なくとも自分は幸運に思うし喜ばしく思うし、嬉しく思うのである。

そんなわけで、重ね重ねになるが、それが子供の教育にいいのかどうかは分からないけれど、時代を超越するような魅力をたたえる作品は、やはり小さい時から触れておいた方が良いと自分は思うわけで、せっかく娘が「トマト・ジェリー」と言い間違えながらも本作品に興味を示しているのだから、これを好機とばかりに是非ともガシガシ見せ付けてやりたいと考えている次第である。そもそもウチでは宝島社版のDVDを一枚既に所有していて、それを何回か娘に見せていたのだけれども、これまではさっぱり食い付かなかったというのに、今になってこの心変わりというのはどうしたことなのだろう?

一つには単純に娘が日々成長してきて、最近はテレビなんかを観ていても、追いかけ追いかけられのスリリングな展開やショッカー演出などに余裕を持って反応できる(「怖い!でも楽しい!!」)ようになったというのがあるのだろう。もう一つには本作品がほぼノー台詞で進んでいくので、今回は娘のことを想って、状況説明を兼ねつつ自分がまるで講談師のようにして合いの手を入れながら一緒に観たとことによって、以前より理解しながら観ることができたから、というのもあると思われる。

なんにせよ、娘のTJ熱が冷めやらないうちに自分も迅速に動く必要がある。すなわち娘をダシにしてせっかくだからDVDコンプリートを目指すということである。これを読んでいるであろう嫁よ、自分はかなり本気である。
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