ギョーセイというやつはいつでも何処かで冷酷に線を引く装置であったわけだが・・ [地震と原発]
福島市渡利、小倉寺、南向台を指定せず 避難勧奨地点
これ・・線量基準に該当する2地点(世帯)に意向確認して、「避難しない、除染して」という意向だったから指定をしない、ということなのですが、そのお宅についてはそれでいいってんならいいのですが、これまでなされてきた、「年間20mSvを超える恐れのある地点近傍の、妊婦や子供のある世帯(地点)の指定」という部分までもがスキップされちゃってるんですけど、これでいいんでしょうかね・・だってそこのウチの人がどういう意見を持っていようとも、線量基準を満たした純然たる”特定避難勧奨地点”相当地点というものは確かに存在するわけですから。
これって年20ミリが安全か危険かという問題でなく、明確な数値的基準などがありつつも自治体によって指定のなされかたが一律でない、というのは行政体のやることとしてどうなのか?と思うのです。このことは、伊達市議会でも取りざたされていましたが、伊達市と南相馬市でも指定方法が違くって(南相馬市の方が寛大)、既に起こっている問題ではあるのですが、こんなところで市町村ごとに独自色出されてもなぁ・・というのが自分の感想です。
ただねぇ、ギリギリ3μSv/hオーバーくらいの線量ならば、そこのウチの人が「指定になりたくない!」と思っていれば、自分でちょっと除染するだけでクリアできたりするもんなんですよねぇ。逆もまた然り。自然状態で2.5ぐらいならば、ちょっとその辺の側溝から土を掘ってお庭に盛ってやれば、あっという間に特定避難勧奨地点の出来上がり!地域として同じ方向を向いているなら尚よしで、組織立って全戸において除染なり”加染”(テキトーな造語ですw)を行えば、みんなで逃げることだって出来るしみんなで留まれるようにすることだって出来るのです。
しっかし避難しない意向を伝えた2世帯のかた・・特定避難勧奨地点指定になってから「避難しない」という選択をしたならば、そのまま住めるうえにいろいろ金銭的恩恵があったことは知っていたのだろうか。いやもちろんカネだけで済むお話ではないわけですが、福島県民のみならず程度の差はあれ放射能を被った多くの国民は、「賠償っていうなら自分たちだって精神的苦痛被ってる!」と思っているのでしょうから、もらえるもんはもらっときゃいいのに、とも思うんですがねぇ。地点指定に伴う、農業への風評的影響を気にしたのかな。
もう一題。ちょうど引越しの時期と重なってて私まったくこのことに気づけていなかったのですが、先月の原子力賠償紛争審査会で自主避難賠償について進展があったんですね。(コメントを寄せてくださったかたが紹介してくださったリンク先のブログで偶然発見wありがとうございます)
自主避難も賠償対象に 紛争審査会が方針
事故後1ヶ月程度までの避難についてとりあえず賠償を認める方針ですか・・4/11だろうと4/22だろうと自分ちの場合はオッケーですが、もう既に東電への賠償請求書書いちゃいましたよ。このまま8/31までの賠償請求内容をあれで固められたら悲しいんですけどwしかし東電としては各個人の避難の始期をいったいどのようにして確認するんでしょうね?行政から情報提供ないと難しいと思うのですが・・自家用車や一部公共交通機関だと領収書が残らないわけですし、我々自らがこれを客観的に証明しなければならないとするとできるかどうか・・ってそれで不問・不賠償にしようというのが狙いなのか?
自己申告制なら万々歳ですねwみんなで3/12には避難開始したって言えばいいだけだし。でもやっぱり、対象地域は絞るんですねぇ。福島県内・外で区切るのか、更に緊縮的な範囲設定するのか(避難指示等区域を抱える市町村とか)。福島市・郡山市あたりからの自主避難を認めるかどうか、更には関東圏からの避難を認めるかどうかがポイントですかね。まず事故当初の避難とそれ以降の避難とを区切ってる時点で揉めるでしょうし、それから地域的に線引きされるとなるとまた揉めるでしょう、際限なく賠償はできないという道理はわかりますが、誰もがそこそこ納得のいく基準を定めていただきたいものです。
渡利、避難勧奨になりませんでしたね~
先日(たしか土曜?)の住民説明会は19時から始まって24時まで終わらなかったそうです。
線量高かった2世帯は、説明によると地区の外れの山側で
隣の家から相当離れてポツンとある家なので、その2世帯だけ意向確認したとか。
公園がメッチャ線量高かった、某公営団地はどうだったんだろ?
半減期と除染でそんなに劇的に線量減るものなんだろうか・・・と疑問に思いました。
by まゆ (2011-10-10 12:16)
>>まゆさま
コメントありがとうございます。純然たる特定避難勧奨地点”候補”地点、そういったロケーションでありましたかぁ。それではもし地点指定成っていたとしても周辺世帯への追加指定があったかどうか微妙なところであったのですね。
渡利の地区民のかたがたの想いは特定方向にちゃんと向かって結束できるような感じなのでしょうかね。だいたい、この避難するかどうかという問題についてはそれぞれ思うところがあって、足並み揃わない場合が多いものですから・・「除染しろ」とか「補償しろ」とか、とにかく”避難”というメニューだけでは皆さんは満足できないわけです。
除染は頑張って半分くらいだろう、と、今中先生もおっしゃっていました。でも半分でも私は馬鹿にならないと思うのです。最近たびたび申しているように、セシウム134の寄与率が多いので、空間線量的には3年で自然に今の半分くらいになるかもしれないのです。ということは除染により当初時点で現状の半分にできるならすなわち数年で1/4とすることができます。渡利地区の今の線量平均は1のちょっと上くらいでしょうか、とすれば追加被曝量年間1ミリ以内も頑張れば数年内に手が届くわけです。それを考えると、よそに迷惑をかけることになる、という除染の基本性質のことを考慮に入れてもなお、どうしても除染という手に賭けたくなってしまうのです。
by hal (2011-10-10 21:21)
福島の外の方が、「どうして渡利地区を避難させない!!」ってまたいろいろ言っていますが・・・http://change2011.blog.fc2.com/blog-entry-73.html
行政が避難させないからもめたんでしょうか。そこのところ、詳しく知りたいです。
新聞情報では、県外にいるとよくわからなくて・・・。
同上の方のブログで「福島県民よ怒れ」みたいなことありますけど、私は、怒ることで解決できることは人生少ないと思います。(怒りたくないけど怒ってはしまうんですけど)
もっと、福島県民性らしさをいかした道があるという気がします^^
by K (2011-10-17 08:50)
>>Kさま
くだんの渡利地区において、特定避難勧奨地点指定候補となったのは二世帯だけで、その世帯に直接意向確認したところ「避難しない」ということから、地点指定を見送った、と地元報道にはあったのです。
なので、避難したかったのにさせてもらえなかった(元より避難してはいけない、とは誰も拘束したりはしていないのですが)ということ「だけ」から揉めているというわけではないのだと思います。また、地区民のかたもみなが一様に「避難したい」と考えているとは想像しづらいので、そこ「だけ」が争点なのではないと思います。
渡利地区は、とにもかくにも年間20ミリを越える恐れのある地点を抱えるような比較的高線量地域であり、住民誰もがこれを何とかして欲しいと思っているのでしょう。その「何とかして欲しいこと」の具体的方法としては、「避難させて欲しい(=避難にお墨付きを与えて公的援助して欲しい)」や「(真っ先に)除染してほしい」などいろいろあると思うのですが、これらの要望をいちどきに叶えるには地区全世帯を特定避難勧奨地点指定してもらえばよいので、それを望んでいるのだと思います。
渡利地区にはおそらく「物言う住民」のかたが結構いらっしゃるのではないかと思いますので、そのかたたちが一枚岩になって動ければ、単に青筋立てて怒鳴り散らすだけではない、スマートな戦いが展開できるような気がしますけれど、そうした物言う住民のかたがたの間でも意見が分かれるようだと、逆にいつまで経っても組織立って歩みを進み出せなくなるかもしれません。
福島らしさといえば、やはり黙って耐え忍ぶ、みたいな感じでしょうか?貧弱な発想ですみませんw渡利地区みたいな比較的都市部では当たらないかもしれませんが、自分のところのような田舎ならばやはり、地域社会の絆を生かして何とかよりよい方向にみんなで進んでいけたらいいなぁとは思います。
by hal (2011-10-17 11:20)
よくわかりました(ストロンチウムの件と合わせて感謝いたします)
いえいえ、だまって耐えしのぶでは、もう限界ですよ~~
私もうまく言えないんですが、今度ブログに書こうとは思っていたんですけれど
福島出身の音楽家の大友さんという方が、
「チェルノブイリとは違う」と今まで言っていたけれど、
そういういい方を反省した、
チェルノブイリの人と共に、今後の福島を考えていくというような、
ことを言っていたんですよね。チェルノブイリの人が福島を心配してくれている
ことを知って。私も、まったく気付かなかった。
「チェルノブイリと違う」ということで安心していたら、
「フクシマよりも汚染はひどくない」って差別している首都圏の人とどこが
違うんだろうと思ったのですよね。
なんか、福島を生きるって、そういう心の垣根を超えることなんじゃないかなあ~と。
福島に生きていたら、そういう何か、正と反を超えた何かにたどり着けるんじゃないかと。
by K (2011-10-17 16:35)
>>Kさま
あぁー、おっしゃるとおりですね。チェルノブイリとさんざん比較しまくったりしてますけれど、そーいうことをされてあちらのかたはどう思うんだろう?という話ですよね。人類史にもほとんど類を見ない出来れば経験することを避けたかった最低最悪の事態ですが、同じような体験・境遇をすることになった者同士、お互いを思い遣る気持ちは必要なのかもしれません・・一方で国内では(すべての人がそうだというわけではありませんが)汚染物モッテクンナ!という擦り付け合いみたいな不毛なやりとりがしばしば・・
自分もそこまで郷土愛があるとか、福島のことが好きだというつもりはなかったのですが、今回の事故以来なんど涙目になるようなニュースや言論のなされ方があったことか・・福島の一部地方が汚染度が高いというのは事実ですけれど、自分は例えば浪江や飯舘のことを汚染度が高いからといって、差別するような意識はまったく持ちたいという気持ちにはなっていないわけで、東日本一帯、程度の差はあれ被害をこうむっているわけですから、同じ原発事故被災者・被災地として思い遣れるはずなんですよねぇ。
by hal (2011-10-17 17:51)